今年もロッテに苦戦するホークス 元コーチが原因に見るOBの存在とリードの偏り

打開策の一つを提案「ウエスタン・リーグで4割近い打率をマークしている内川を…」

 元ヤクルトの名外野手で、昨年までソフトバンクのコーチを5年間務めた飯田哲也氏は「そこは対戦成績に関係があると思う。ホークスの傾向を、かなり明確につかんでいるのではないか」とうなずいた。そして「私が見ていても、拓也(ソフトバンクの正捕手・甲斐)の配球は、ピンチになると外角に偏る傾向がある。ロッテ打線はこの日の7回の逆転劇でも、内角には来ないと決めてかかり、踏み込んで打っているように見えた」と指摘。「投手陣にも“逃げ”の姿勢が垣間見え、余計な四球を出して自分の首を絞めている」と付け加えた。

 一方、この日のロッテ先発・美馬は、7回7安打4失点に抑え、今季のソフトバンク戦で3戦3勝。楽天時代の昨年も3勝1敗、対戦防御率1.97と得意にしていた。飯田氏は「美馬の得意のシュートが、ブンブン振ってくるソフトバンクの打者に有効なのでしょう。美馬を攻略するには、コツコツ当てていく姿勢が必要だと思います」と語った。

 また、現状のソフトバンクは、実績がありながら故障や不振で戦列を離れている選手が多く、打線が迫力を欠いているのも勝ち切れない要因の1つだろう。この日のスタメンのうち、牧原は今季打率.123、川瀬は.164、甲斐は.212、松田宣も.218と低迷。相手の脅威になるような代打の切り札も見当たらない。飯田氏は「詳しいチーム事情はわかりませんが、ウエスタン・リーグで4割近い打率をマークしている内川を、そろそろ昇格させてもいいのではないか。バレンティンにしても、ベンチにいるだけで相手にとって嫌な存在だと思います」と提言する。

 ソフトバンクとロッテの対戦は、今季まだ13試合も残っている。さらに、コロナ禍でシーズンが短縮された今季も、パ・リーグでは1位と2位の間で、1勝のアドバンテージを含む4試合制のクライマックスシリーズが実施される。鷹にとってロッテほど、一騎打ちの相手として不気味なチームはない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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