阪神大逆転Vへのキーポイント「2番捕手・梅野」は正解か? 分析のプロが解説する是非
元巨人の三井康浩氏が分析、梅野は2番でいいのか
■阪神 7-6 広島(13日・甲子園)
絶対に負けられない試合で矢野阪神が意地を見せた。13日の広島戦(甲子園)で、阪神は「2番・捕手」に梅野を入れ、糸井を7番に据えた。好調の5番の大山には好機で送りバントを命じるなど、流れを作った。最後は6-6の8回、途中出場の陽川が決勝3号ソロを放ち、1点差で勝利を収めた。
勝利への執念を見せた矢野燿大監督が繰り出した采配には注目のポイントがいくつもあった。その中で、20年以上に渡って巨人の名スコアラーとして活躍した三井康浩氏に「2番・捕手」について分析してもらった。
巨人追撃のためには、もう負けられない阪神は、先発した藤浪に4回途中5失点で踏ん切りをつけて継投策に打って出て、勝ちパターンを注ぎ込んだ。球場が騒然となったのは3回だ。無死一、二塁で5番大山に送りバントを命じた場面。今季初犠打でチャンスメークすると、ボーア、糸井が連続適時打で続いた。
「大山のバントはチームの士気を上げました。絶対に勝つという意志が見えました。あれで全選手が絶対に勝つという意識を持たせることができるバントでした。よく原監督も主軸にバントをさせますよね。一戦、一戦、絶対勝つという意識の表れです。矢野監督にも今日は見えましたね」
阪神は接戦をモノにして4連勝。その連勝で見逃せないのが、3試合連続で「2番」に捕手・梅野が入っているということだ。この日の3回、一気に逆転したのも梅野の二塁打からだった。
「調子の良い選手を2番に持っていくのは最近の野球のトレンドでもあります。その意味合いは、巨人が坂本を起用したことのあるように3、4番よりも数字が高い打者を置くことで打線がうまく回る。そういう考えると打線を活発にしようとする狙いがある。梅野自身もしっかりと2得点もしているところが素晴らしい」
もう負けが許されない状況で、矢野監督が生み出した打順は奏功していると言っていい。2番・梅野のラインナップは果たして「正解」と言っていいのだろうか。
「絶対に勝たないといけない今の流れでは、正解です。なので、ここ最近の矢野監督の攻撃的采配は良いと思います。ですが、長期的視野で見ると捕手の2番打者はしんどい。捕手というポジションはいろんなことを考える。2番という打順も考える位置。捕手が2番を務めてしまうと、多くを背負わせることになってしまいます」