「あの打球が入るんですね…」プロ1号放った20歳の若獅子が秘める可能性

ホームランボールを片手に笑顔の西武・高木渉【写真提供:埼玉西武ライオンズ】
ホームランボールを片手に笑顔の西武・高木渉【写真提供:埼玉西武ライオンズ】

9月12日のソフトバンク戦で武田からの1発「手ごたえは完璧でした」

 一直線に伸びていった打球は、そのままバックスクリーンまで届いた。9月12日のソフトバンク戦(PayPayドーム)。西武の高木渉外野手が、プロ入り初本塁打を放った。5回にソフトバンクの先発・武田からの1発。「手ごたえは完璧でした。ただあの打球が入るんですね…(テラス席ではなく)スタンドまで届いていました?」。打球が最後、どこまで飛んだかはわからないほど夢中だった。

 その1か月前。8月13日の楽天戦(メットライフ)でプロ入り初安打。翌14日の同カードでは猛打賞の活躍を見せた。上昇気流に乗り始めた矢先の15日、右足首を痛めて登録抹消。再びファームで調整する日々に戻った。

 8月下旬に実践復帰。主にDHで打席を重ねた。「打撃の感覚は(8月に)1軍に昇格したときと同じくらい調子がいい」。すぐに手ごたえは戻ってきていた。

 1軍へと戻る直前、9月9日の巨人3軍との試合では4打数2安打をマーク。左腕の高めの直球をとらえライナーで打ち返した第2打席の右前打の感触が良かった。「カウントも有利だったので良かったです。状態がいいですね」と明るい表情を見せていた。

 ファームでは試合後にウエートトレーニングで体をいじめ、食事後は寮の自室で自分と向き合う時間を大事にする。その時間は、昨年に比べて格段に増えた。「部屋に戻ったら、自分の打撃を見直したり、相手投手の研究などを気づいたらしていますね。ルーティンの1つになっています」。四六時中、野球中心の生活を送った先に、1軍でのアーチがあった。

「プロ初ホームランは(自分の描いていたイメージより)早く打てたと思います。8月の半ばに怪我で離脱してしまいチームに迷惑をかけてしまった。それを取り返すことができればいいですが、自分の若さを生かして精一杯プレーしたいです」

 福岡出身の若獅子は、20歳の伸び盛り。故郷で放ったこの1発を自信に変え、2本目、3本目とこの男のバットから生まれることを期待したい。

(記事協力・西武ライオンズ広報部)

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY