ドラ9入団でも打率トップ快走のDeNA佐野 指揮官が「成長感じる」ポイントは?

DeNA・佐野恵太【写真:荒川祐史】
DeNA・佐野恵太【写真:荒川祐史】

主将就任で全試合で4番、右腕には.350、左腕に打率.371

■DeNA 7-1 巨人(19日・横浜)

 DeNAの佐野恵太内野手は19日、本拠地・横浜スタジアムで行われた巨人戦で、12号2ランを含む4打数3安打3打点。今季打率を.356とし、首位打者争いでは2位のヤクルト・村上に2分差をつけトップを快走している。これまで全79試合で4番を務めているが、昨季までは代打出場が多かった。実質レギュラー1年目で驚異的な成績を残している。

 4点リードで迎えた7回1死二塁で、巨人4番手の右腕・桜井から右翼席へダメ押しの2ラン。佐野は「自分のスイングで力強くとらえることができた」と振り返ったが、さらに目を見張ったのが1回の先制打。2死二塁でカウント2-2から、巨人先発左腕・今村の144キロの内角シュートを振りぬき、右翼線へ先制適時打を放った。

 メジャーへ移籍した筒香の後釜として4番&主将に指名したラミレス監督は「昨年までは左投手をやや苦にしていたが、今年はむしろ対左投手の方が打率が高いくらい。そこに成長を感じる」と評する。

 確かに佐野は19日現在、左投手に対して打率.371(97打数36安打3本塁打)。右投手に対する.350(206打数72安打9本塁打)を上回っている。昨年は右投手には.302、5本塁打。左投手には.258、本塁打0。一昨年は右投手には.237、5本塁打で、左投手には.167、本塁打0とからきしだった。数字上でも、年々対応力を高めている。

 明大から2016年ドラフト9位で入団。この年指名された全体87人(育成を除く)中84番目の指名で、セ・リーグではしんがりだった。球団関係者は「打撃には大学時代から定評があったが、アマチュアがプロの投手のスピード、キレに対応するのは容易ではない。佐野の場合、守備位置は主に外国人でも埋められるファーストだったし、足も速くなかった。余程の実績がなければ、代走や守備固めで使えるタイプの方が出場機会を得やすいし、ドラフトでの評価も高くなるからね」と振り返る。

 それでもラミレス監督に見いだされ、持ち味の打撃を磨きに磨いてきた。発展途上の左翼守備にも奮闘しつつ、一芸に秀でた佐野が大きな勲章をつかもうとしている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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