得失点差はマイナスでも貯金12の謎… データが示すロッテの強さの要因とは?
際立つマーティンの奮闘ぶり、安田や井上、中村奨もプラスの貢献
次に、千葉ロッテマリーンズの各ポジション各ポジションの得点力を両リーグ平均と比較し、グラフで示した。
グラフでは、野手はポジションごとのwRAA、投手はRSAA(失点ベース)を表しており、赤色なら平均より高く、青色なら平均より低いということになる。
昨季、内外野で獅子奮迅の活躍を見せた鈴木大地が抜けた穴を、FAで獲得した福田秀平が埋める算段だったのだろうが、福田はこれまで28試合の出場にとどまっている。ただ、前述のサード安田に加え、ファースト井上晴哉、セカンド中村奨吾はリーグ平均よりもプラスの貢献を見せている。そして、核となっているのがライトのマーティン。OPS.906、本塁打22本はチームトップで、特に8月の月間10本塁打はソフトバンクの柳田悠岐と並んでリーグ1位。2番打者としても大きなアドバンテージを獲得している。
また1番打者のOPS.737はリーグ2位で、上位打線が好調であることもチームに好影響を与えているものと考えられる。印象的だったのは、8月16日にプロ入り初スタメンで1番に入った和田康士朗。この日の第1打席から第3打席までの全てでヒット→盗塁→得点を記録する。8月19日の試合では四球で出塁した後、次打者の中村奨吾のシングルヒットでホームに生還するなど快足ぶりが注目の的である。18盗塁はリーグ3位。出塁率が向上すればチームにとって大きな核弾頭となることだろう。また、和田の守備範囲の広さ、マーティンの肩は外野守備の強化にもつながっている。
投手陣に関しては、吉井理人投手コーチの運用が巧妙である。過密日程である今シーズン、どのチームも投手運用に難儀しているが、ロッテに関しては3連投した投手は1人もいない。また火曜から日曜を1つの区切りとしたとき、その区切りの中で4回以上登板した投手も0人である。