DeNA、弱まる“ハマスタ神通力” 悪夢のホーム3連敗でBクラス転落の危機

DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:荒川祐史】
DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:荒川祐史】

今季のDeNAはホームで23勝21敗2分、昨季は43勝27敗1分と圧倒的な強さを見せたが…

■中日 8-5 DeNA(2日・横浜)

 DeNAは2日、横浜スタジアムで行われた中日戦に5-8で敗れ3連敗となった。3位争いの直接対決になる眼下の敵との初戦を落とし、借金2でゲーム差はわずか0.5となった。今季のDeNAは本拠地での3連敗以上が二度目となるが、下位チーム相手の地元3連敗は初となった。

 昨季は横浜スタジアムで43勝27敗1分と圧倒的な強さを誇ったDeNAだが、今季は10月2日終了時点で23勝21敗2分と、ホームの神通力は弱まっている。それでも今季、本拠地で3連敗以上を喫したのは、7月に巨人相手の同一カード3連敗から4連敗(ビジター試合からの連敗を含めると6連敗)した一度のみで、今回のヤクルトと中日相手の3連敗が2度目となる。

 巨人とは今季5勝10敗と相性が悪く、独走を許す一因となっているが、7勝9敗と負け越し2位争いを続けていた阪神には、本拠地ではカード負け越しが一度あるのみだ。

 現時点で3位争いとなる中日相手には、ここまで8勝8敗と互角の成績だが、横浜スタジアムでは開幕から6連勝と圧倒していた。しかし、9月11日からの3連戦の初戦に敗れて連勝が止まると、そのカードは1勝2敗と負け越し。1.5ゲーム差で迎えた2日も、リリーフ勝負となった終盤に6番手の石田がビシエドに決勝3ランを被弾し、前カードのヤクルト戦から続く3連敗となった。

 最下位争いをしているヤクルトもここまで10勝10敗1分で、本拠地では7月に1勝1敗1分、8月は1勝2敗、2勝1敗の後、前カードで1勝2敗と負け越し、今回の地元3連敗につながっている。昨年まで大きな力となっていたホームでの強さが、今季は影を潜めている。

 新型コロナウイルスの影響で異例のシーズンとなった今季、ラミレス監督は例年にも増して、横浜スタジアムでのファンの後押しに感謝のコメントを発している。9月29日のヤクルト戦に勝利した後も、「ホームに戻って、これだけのお客さんのサポートを受けて、試合に勝つことができたのが一番幸せなこと」と、入場者数が緩和されて1万3832人が集まったスタンドに感謝した。

 しかし、その言葉とは裏腹に、チームはそんなホームの優位性を活かせていない。7月の巨人相手の3連敗は無観客から上限5000人に緩和された直後の地元9連戦だったが、引き分けもあり、緩和後の初勝利を挙げるまでには6試合を要した。入場者制限がさらに緩和された9月19日は天敵巨人に勝利したが、今回の3連敗も含めて、ここまで6試合で2勝4敗と成績は振るわない。

 2日の試合では、指揮官が「昨年からこの球場で結果を残しているので、これからも優先的に使っていきたい」と信頼する井納を先発に立てたが、中日打線を抑えることはできなかった。

 今季は6月末から7月中旬まで、勝利と敗戦を繰り返す状態が史上最長となる16試合も続き、「オセロの呪縛」とも言われたDeNAだが、言い換えれば、大型連敗がほとんどない(6連敗が一度のみ)ことが強みだった。4位中日に敗れてその差は0.5ゲーム差となり、Bクラス転落の危機が目の前に迫ってきた。

 試合後のリモート会見で「前に言ったこともあるが、どのように始めるかではなく、どう終わるかが重要」と自身の信条を話し、残りの試合を「必ず勝っていかないといけない」と力を込めたラミレス監督。残り30試合を切ったシーズンで、14試合ある横浜スタジアムでのホームアドバンテージを取り戻せるかどうかが、チームの順位を左右することになる。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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