数だけでなく“質”も突出したパ盗塁王争い 高レベルな周東&西川&和田の「三つ巴」

ソフトバンク・周東佑京【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・周東佑京【写真:福谷佑介】

トップ快走の鷹・周東はシーズン38盗塁ペース、成功率は90.3%

 パ・リーグはソフトバンクとロッテの熾烈な首位攻防が繰り広げられる一方で、個人タイトル争いも佳境に入ってきた。盗塁王争いでは、ソフトバンクの周東佑京内野手が29盗塁でトップを快走し、4差で日本ハムの西川遥輝外野手、さらに4差でロッテの和田康士朗外野手が追う。今季は120試合に短縮され盗塁数こそ例年に劣るものの、近年稀に見るハイレベルな成功率による“三つ巴”の争いが繰り広げられている。

 周東は91試合を消化した3日時点で29盗塁。シーズン38盗塁のペースで量産している。2015年には34盗塁で盗塁王(日本ハム・中島卓也)のタイトルに輝いたケースもあるため、短縮シーズンとは思えない数で決着する可能性は大いにある。3位の和田とはすでに8差がつき、周東と西川の接戦の様相はあるが、この3選手は他の選手とは別次元での戦いを繰り広げている。

 周東はここまで32回企画して失敗は3つで成功率90.6%。西川も29回企画で失敗4の86.2%で、和田も24回企画で失敗3の87.5%と続き、3人とも8割5分以上の高確率で次の塁を陥れている。4位以下の選手をみると、オリックスの佐野皓大が企画した15回すべてで成功させ100%だが、他選手は高くても8割台前半。企画数の多さからみても、上位3人の成功率の高さは際立つ。

 タイトルを争う選手たちが総じて高い成功率を誇ったのは、近年を振り返っても珍しい。昨季41盗塁でトップだった西武・金子侑司は80.4%だったが、次点のオリックス・福田周平は68.2%。2018年も、44盗塁でトップだった西川は93.6%を誇ったものの、2位のロッテ中村奨吾は72.2%だった。その点からも、数だけではない質の高い盗塁王争いが今季の特徴でもあるといえる。

 西川なら2年ぶり4度目のタイトル。周東と和田ならそれぞれ自身初。ともにプロ3年目以内の獲得となると、2007年の西武・片岡易之以来13年ぶりとなる。3人とも残り29試合。三つ巴の戦いから目が離せない。

(Full-Count編集部)

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