4位転落のDeNA、序盤バッテリー交代の“ラミレス采配” チームに与える影響は?

DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:津高良和】
DeNAのアレックス・ラミレス監督【写真:津高良和】

4連敗で4位転落、浜口は2回途中KOで相棒の高城は一度も打席立たずに交代

■中日 9-7 DeNA(3日・横浜)

 DeNAは3日、横浜スタジアムで行われた中日戦に7-9で敗れ、4連敗を喫した。0.5ゲーム差に迫られていた中日と入れ替わりで4位に転落。序盤の8点ビハインドから中盤以降、徐々に追い上げたが、あと一歩及ばなかった。

「みんながベストを尽くした。仕方ない」と選手を称えたラミレス監督。だが、その言葉とは裏腹に、大量失点で試合を決定付けた序盤に首を傾げたくなるような采配があった。

 先発した浜口は試合前まで自身3連勝中と好調だったが、立ち上がりから左打者を6人並べた中日打線につかまった。初回は簡単に2死を取った後、3番のアルモンテから四球を挟んでの4連打で3点を奪われた。2回にも1死満塁のピンチを作り、ビシエド、高橋に連続タイムリーを打たれて降板。後を継いだ砂田が木下拓に3ラン本塁打を浴び、この回一挙6失点で試合の行方がほぼ決まった。

 大量ビハインドを追う展開となった2回、2死一塁からこの日スタメンマスクとなった8番の高城に打席が回ったが、ラミレス監督はすかさず代打・戸柱を起用した。トレードで移籍したオリックスから今季、2年ぶりに古巣復帰を果たした高城は、浜口のルーキー時代から相性の良さを買われた起用が続いてきた。

 投手によって捕手を決めるのはラミレス采配の特徴。今季も浜口の登板15試合中、13試合でスタメンマスクをかぶっている高城。今季のスタメン出場自体が14試合で、いわば“専属捕手”のような形となっている。ただ、この日は浜口が今季最短の1回1/3で降板となったため高城も交代に。ラミレス監督はバッテリーごと替えることは少なくない。

 前日2日の試合でも、7月18日以来のスタメンマスクとなった伊藤光を、先発の井納が降板した直後の6回に代打を出して交代させた。試合後のリモート会見で指揮官は「井納がマウンドを降りたら交代させることは、最初から決めていた。リードに問題があったからとか、そういう問題ではない」と説明したが、この起用法に選手自身が納得しているのかどうかは疑問が残る。

 高城は打席に一度も立つことなく、ベンチに下がることになった。今季は嶺井も9月8日に同様の起用をされているが、序盤に大量失点した投手の交代に合わせた捕手のチェンジは、捕手に対する懲罰交代にも見えてしまう。選手とのコミュニケーションを重視するラミレス監督だけに、この起用法は双方が納得してのことかもしれない。それでも、スターティングメンバーに名を連ねながら、一度も打席に立たずにベンチに下がるというのは、いい影響をもたらすものとは思えない。

 データを重視し、選手の個人攻撃は決してしないラミレス監督だが、時折だが非情とも思われる姿勢が顔を覗かせることもある。シーズンも終盤に差し掛かり、厳しい状況となった最近は「選手一丸になって」という言葉を多用。だが、その求心力を失ってしまうような采配があってはならないはずだ。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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