「田澤ルール」撤廃も残る課題… 元メジャー右腕が疑問投げかける“実績”の評価
未来のある若者の一枠を使うべきではないのではないか
そして、「違和感がありますね」と指摘するもう1点。ドラフト会議で「一枠」を使ってしまうことだ。「未来のある若い人たちの枠を一つ、つぶしてしまう。ドラフトの戦術も変わってくるんじゃないかなと思います」と指摘する。田澤は即戦力ではあるが、34歳という年齢を考えれば、上位で指名できない球団もあるだろう。低い順位で指名できたとしても、それが田澤への正しい評価なのか、疑問は残る。
他にも、メジャーは代理人が契約交渉の場につくが、今回、NPB球団から指名された場合、契約の話が円滑に進むのかどうかも気になるところ。多くの課題が残るが、小林氏は否定するのではなく「今回はそれでしょうがないと思います。日本球界全体で、何かに気がつくことになってくれればいいかなと思います。1回やってみて、やっぱり、マイナスな部分の方が多いと感じたら、いずれは変わってくる。まずはやってみないことには始まらない」と前向きに捉えている。
小林氏に、今回のこの事象をアメリカ、MLBなどはどう見ていると思うかと尋ねたら、明快な答えが返ってきた。
「そこまで(アメリカは)気にしていないと思います。何でそんなルールで選手を絞る必要があるのかという感じかもしれません。もしかしたら、なぜ、ドラフトにかけなきゃいけないのか? という疑問どころか、そんなルールが存在していたことすら、知らないかもしれません」
ひと昔前ならば、日本の人材流出という考えも理解できた部分もある。しかし、時代はグローバル化している。時の流れとともに柔軟な対応をしていかなければならない。今年のドラフト会議で出た違和感を、次のステップにしてもらいたいところだ。
(Full-Count編集部)