強竜復活へ、あとは「エース右腕」の確立 中日ドラ1候補は地元の有望株“1択”か
外野手の台頭が不可欠も根尾ら期待…「ローテの柱」担う投手が必要
2020年のドラフト会議は10月26日に行われる。新型コロナウイルスの感染拡大により甲子園などアマチュア大会の多くが中止になり、スカウト活動も制限された中で迎えるドラフト。果たして各球団はどのような補強戦略を思い描くのだろうか。
ここでは各球団のポジション、年齢別の戦力構成を検証。今年のドラフトで補うべきポイントと、それにマッチするドラフト1位候補を挙げてみたい。今回は7年連続Bクラスと低迷してきた中日を取り上げる。
2000年代からの黄金期を支えてきた大ベテランたちがここ5年間で相次いで引退し、大変革を迫られた中日。戦力不足は否めずに苦戦を強いられてきたが、近年は高橋周平、京田陽太、阿部寿樹ら中堅を中心に台頭。今季は8年ぶりのAクラス入りを視野に入れている。
年齢構成で近々の課題になってきそうなのは、やはり外野手だろう。ここ10年の中堅を担ってきた球界屈指の安打製造機も今季35歳を迎える。数字上ではまったく衰えを見せてはいないが、これから30代後半に差し掛かってきた際に“ポスト大島”の存在が不可欠になるのは間違いない。32歳を迎えた右翼の平田良介も今季は故障離脱で不本意なシーズンになった。
求められる若手外野手の台頭。その筆頭として期待されるのが2年目を迎えた20歳の根尾昂や、4年目の今季に初本塁打を放った22歳の石垣雅海あたりか。高卒ルーキーの岡林勇希も打力には定評があるだけに、どれだけうまく世代交代が進められるかが焦点になってくる。
一方、投手陣は25歳前後に集中。ただ、その世代からエース左腕・大野雄大に続く「右の柱」が出てきていないのも現実だ。昨季11勝を挙げた26歳の柳裕也は故障もあり黒星が先行。2年目の勝野昌慶や梅津晃大、ルーキーの岡野祐一郎もカード頭を安心して任せられるほどの信頼感はまだ勝ち得ていない。
ここ2年間のドラフトでは根尾、石川昂弥と野手を指名している点も考えると、やはり今年は即戦力かつ将来のエース候補となる投手の指名が現実的だろう。根尾は岐阜出身、石川は愛知出身と地元色を意識したチームづくりも垣間見えるだけに、必然的に1位候補は中京大中京の高橋宏斗が“最適解”になってくるか。より即戦力に力点を置くならトヨタ自動車の栗林良吏、早大の早川隆久らも候補として上がってくる。黄金期のような「投手王国」再建に向けた一手を投じるのか、それとも果たして……。