退任のDeNAラミレス監督が見出したオープナー適性 10年目・武藤の強みとは?

退任表明の翌日に自ら貫いた采配で最高の結果「どんな形でも勝ちは勝ち」

 そんな指揮官の目論見通り、今季初のオープナー起用となった8月10日の阪神戦では3回を1失点に抑え、最終的にチームは勝利した。2度目となった10月1日のヤクルト戦は3回途中2失点で負け投手になったものの、指揮官は「初回から148キロ出ていたし、変化球も良く、内容は悪くなかった。打線が援護してあげられなかった」と合格点を与えていた。

 今季で最後となるラミレス采配で、オープナーの採用は目玉のひとつといえるが、その作戦も武藤のような投手の存在があってこそのことだ。先発陣の駒不足に苦しむ中、継投での完封劇と、最高の結果を残した3度目の今回は「広島戦ではいい投球をしている」と、ラミレス采配の要素のひとつである「相性」も加味した結果だった。

 試合後に「今日は完全にリリーフデー。どんな形でも勝ちは勝ち」と胸を張ったラミレス監督。今季限りでの退任を表明した翌日に、自ら貫いてきた采配で最高の結果を残してみせた。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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