1位は楽天、2位はDeNA…巨人と阪神は? 専門家が12球団の指名を順位付け

阪神から1位指名を受けた近大・佐藤輝明【写真:宮脇広久】
阪神から1位指名を受けた近大・佐藤輝明【写真:宮脇広久】

近大のスラッガー・佐藤獲得も阪神は7位、巨人はその下の……理由は?

【7位・阪神】
 近大のスラッガー・佐藤輝明外野手を獲得。「失敗ドラフトではないですが、2、3位で投手。上位の右のパワーヒッターが補強ポイントな気がします」。陽川や中谷らがいるが、ここの厚みが必要だったか。だが、2位のJR東日本の伊藤将司投手は三振も取れる即戦力左腕。「高橋遥とはタイプがまた違う投手の感じがするので、もう1枚、ローテ候補が加わった。全体的に、年齢が高齢化している外野と投手。抜けるところをどう補強するのかと見ていたので、佐藤が獲得できてよかったというのが一番ですね。上武大の佐藤蓮投手や東洋大の村上頌樹投手をケガとはいえ、この順位で獲れたのもよかったと思います」

【8位・ソフトバンク】
 王者の余裕というべきか、高校生中心の育成に特化したドラフトとなった。野口氏はソフトバンクを解説する前に「他の球団とは路線が違うので、同じように評価するのは難しいですね」と話したように、独自のドラフトとなった。「投手は育成から出てくるノウハウもある。野手では1位で花咲徳栄の井上朋也内野手を指名、内川や松田宣だって何年後かにはいなくなってしまうわけで。そうなった後、主軸を張れる人は急務ですね」

【9位・中日】
 地元密着路線とのドラフトとなった。1位で単独で高校生No.1の中京大中京の高橋宏斗投手。2位には地元・豊川高出身、日体大の森博人投手を指名した。補強ポイントは先発投手。森が即戦力で計算できるが、その一人となった。「地元色強い。昨年の石川、一昨年の根尾と地元出身の高校生をとって主力に育てていくという考え方でしょう」と今年のウィークポイントを埋めるという方針ではないようだ。ただ「そういう将来を見据えるという意味ではいいドラフトだったのではなないでしょうか」

【10位・西武】
 「おかわり2世」といえる桐蔭横浜大・渡部健人内野手を1位指名。早大・早川を4球団抽選で外したものの、サプライズ指名となった。2位のNTT東日本の佐々木健投手は即戦力の期待大だが「もうちょっと、投手補強するかと思ったけど、人数的にも投手が欲しかった。野手の高齢化を考えた感じですね。渡部選手は中村の次を任せられるような打者じゃないかなと思う」と球団の考えは理解できる。ただ「やはり即戦力の投手がいないのは気になりますね。ヤクルトが1位指名した木澤(慶大)が単独で取れたのではと思う。渡部選手は2位でも取れたのではと思ってしまう」

【11位・ヤクルト】
 早大・早川、法大・鈴木をくじで外し、慶大・木澤尚文投手を獲得。「2回くじを外して、木澤を獲れたのは大きいですね。いい投手だと思う。単独1位でもおかしくない投手。2位の東北福祉大・山野太一投手も(同大の監督の)大塚さんが負けない投手と仰っていた」と即戦力投手の素材の良さは野口氏も把握していた。しかし、戦力補強という意味ではどうか。「ヤクルトは補強ポイントはたくさんあるから、難しいんですが、青木、坂口、雄平の外野手の年齢を考えると、外野手はとっておいたほうがいいのではないか。他のポジションもバランスよく行かないといけない」

【12位・巨人】
 亜大の好投手・平内龍太投手を獲得し、2位の東海大・山崎伊織投手は怪我さえなければ、複数球団が1位指名をしてもおかしくない投手。万全ならば、山崎もトミー・ジョン手術から復活後、ローテの一角、二桁勝利できる逸材。3位の中京大中京の中山礼都内野手も高校屈指のショート。将来性やバランスを見れば、成功のドラフトだったかもしれない。ただ、なぜ12位なのか。

「くじ運が悪かったという点と今年の戦いを見た上では即戦力の先発投手の獲得だったのではないでしょうか。2位の山崎投手はリハビリから、平内投手はリリーフとしての評価が高い。今年、リーグ連覇目前とし、多少の余裕あるのかもしれないですね」。周囲が言うほど、即戦力先発投手が補強ポイントではなかったのかもしれないとも取れる。今年の戦力補強という観点だと「ローテをどうするんだろうは思いますが、原監督が考えた上での指名なので、来年のキャンプ、始まるのが楽しみですね」

 ドラフトの結果は数年後になってみなければわからない。あくまで、今年のウィークポイントが埋まったかどうかの評価基準ではあるが、このような見方で今年のドラフトを振り返るのも面白いかもしれない。

(Full-Count編集部)

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