阪神近本、2年連続盗塁王へ逃げ切りなるか? 専門家が指摘する「タイトルの近道」は

「今の阪神は打線が調子がいいので、点差が開くと、終盤はチャンスがなくなることもある」

 では、近本がタイトルをつかむためには、今後何が必要なのか。野口氏は盗塁を狙う積極性、そして終盤に入る前の早いイニングでの盗塁企図の必要性を説いた。

「本塁打は1試合に3本はなかなか出ないが、盗塁は1試合に複数決めることはあり得る。タイトルを狙うなら、もうそろそろバンバンいってもいいんじゃないか。ただ、今の阪神は打線が調子がいいので、点差が開くと、終盤はチャンスがなくなることもある。一塁手がベースから離れると、盗塁が記録されなくなるので、それまでに走らないといけない」

 そして、来年以降もさらに盗塁を積み重ねていくためには、「ここは牽制がない」という場面でスタートを切ることとともに、相手の配球を読んだ上でスタートを切るという引き出しを増やすことも大切だと野口氏は指摘する。

「がむしゃらに走るのではなく、場面を選んで走るのも1つ。広島が3連覇した(16、17、18年の)頃は、選手たちが機会を読んで走っていた。多かったのは、速いボールを投げる外国人投手で、直球で追い込んで、ウイニングショットで変化球が来そうな時。特に捕手が送球動作に入りにくい、落ちるボールを投げる時を選んで走っていた。それはシーズン終盤になって、データを分析して分かったのだが、近本もそういう引き出しも増えていくと、盗塁数も増えて、盗塁王への近道になる」

 2年連続の盗塁王はもう目の前。リーグを代表する韋駄天は、残り試合でどれだけ盗塁数を増やしていけるのか。代走のスペシャリスト、巨人・増田大との争いから目が離せない。

【動画】捕手の送球は完璧ドンピシャも… 専門家を唸らせた阪神・近本が技術で奪った今季25個目の盗塁の実際の映像

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