巨人が鷹の絶好調男・栗原を止めるには? 専門家が説く野村克也氏の「投球の原点」
野村克也氏のもとでプレーした野口寿浩氏が練るホークス栗原攻略法「打ち取るのは非常に難しい」
巨人は京セラドームで行われた「SMBC日本シリーズ」第1、2戦でソフトバンクに連敗。特に相手の5番を打つ栗原陵矢捕手に計8打数7安打、打率.875と打ちこまれた。このラッキーボーイを止めないことには、24日から舞台をPayPayドームに移す第3戦以降も、巨人の逆襲は見えてこない。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)で21年間も捕手として活躍した野口寿浩氏が分析した。
22日の第2戦も栗原には手をつけられなかった。初回の第1打席では、先発・今村のカットボールを右前打。3回の第2打席では、戸郷の外角低めの149キロ速球に空振り三振を喫し、この日本シリーズ通算6打席目にして初めて凡退したが、5回の第3打席では、左腕・田口の真ん中高めの139キロ速球を右前打。7回の第4打席では、鍵谷に対し5球連続ファウルで粘った後、11球目の外角高めの143キロ速球を三遊間へ運び、坂本がダイビングキャッチで打球処理するのが精いっぱい。遊撃内野安打とした。9回の第5打席は、大竹の内角低めのスライダーを巧みに右前へ運んだ。
この絶好調男を攻略する方法はあるのか。野口氏は「栗原は年間を通して、今が1番いい状態。打ち取るのは非常に難しい」と認めた上で、「“投球の原点は外角低め”と言われるが、そこを丁寧に攻めるしかない」と断言した。
「大竹の内角低めの難しいスライダーを右前打したように、内角打ちは天才的にうまい。外角も高めは危険。外角低めの“一角狙い”で、そこへあらゆる球種を投げ、丁寧にストライク・ボールの出し入れをしていく。それでもチョコンと合わされてヒットにされた時は、しようがないと開き直るしかない」と語った。
栗原はロッテとの「パーソル クライマックスシリーズ パ」では、2試合通算で5打数無安打2犠打とヒットが出なかった。柳田、グラシアル、デスパイネ、中村晃ら他にも強打者が並ぶ中で、巨人は徹底マークとはいかなかった栗原を、完全に調子に乗らせてしまった感がある。
野口氏のヤクルト時代の恩師である野村克也氏は「困ったら、外角低めに投げさせろ」が持論。「打者から一番遠く、ここにしっかり投げられれば、長打にされる可能性は低い」と説明していた。原点回帰が栗原攻略の糸口になるかどうか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)