鷹はなぜ小久保氏をヘッドコーチに招聘した? 三笠GMが語った狙いとは…
目指した中長期的な野手の指導体制強化と“ホークスイズム”の伝承
ソフトバンクは3日、球団OBの小久保裕紀氏が新たに1軍ヘッドコーチに就任すると発表した。同日、小久保氏はPayPayドーム内で記者会見を行い「責任は重大です。工藤監督と選手のパイプ役、コーチ陣とのパイプ役。厳しさと愛を兼ね備えた存在でありたい。入って負けたと言われたくないので、やるのは選手ですが、チームがいい方向に向かっていけるように手助けできればなと思います」と語った。
9年ぶりにのホークス復帰となる小久保氏。背番号は現役時代の「9」を連想させ、侍ジャパン監督時にも背負った「90」に決まった。会見に同席した三笠杉彦取締役GMは小久保氏招聘の経緯と狙いを明かした。
その1点目が積年の課題となっている野手の選手層の底上げ。今季は栗原陵矢捕手が外野手、一塁手として成長してレギュラーを獲得。それでも、37歳の松田宣浩内野手ら中堅、ベテランを脅かす大砲が育っていない現状がある。三笠GMは「工藤監督、フロントでコーチングスタッフについて協議する中で、中長期的な野手の指導体制の強化が必要となった」と語った。
また、球団としての伝統も重視した。今季3年ぶりのリーグ優勝、4年連続の日本一を達成したソフトバンク。三笠GMは「選手の頑張りで日本一を達成しましたが、4年連続日本一は選手の頑張りだけではなく、ここまで強いホークスを作ってきてくれた方々がいたから、この結果があると考えています」とし、常勝軍団を築き上げる中でチームに貢献したレジェンドの存在を大切にした。
「超長期的に強いホークスを続けていく中で、作ってきてくれた方に戻ってきていただいて、歴史を一緒に作っていく方に戻ってきてもらう方がいい」とし、野手の指導体制強化、球団としての“ホークスイズム”の伝承が可能な存在として小久保氏の招聘に動いた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)