底辺拡大の鍵は「お母さん」? 元MLB右腕と女子野球経験者が語る球界に必要なこと
プロ野球12球団ができるサポートは?
小林 野球選手を育てる、野球に興味を持たせると言うのであれば、もう少し具体的にプロ野球界が真剣に考える時期になってくれるんじゃないかなと思います、ちょっと今まであぐらをかいているじゃないかなと思います。そういうところは歩み寄って、一番とっかかりを考えないといけないと思っています。
坪井 そういう考えにどうやってたどり着いたんですか?
小林 昨年、初めて気がつきました。プロ野球の世界にずっといたら気づかなかったことだと思う。女子プロ野球や学童野球と触れ合って、そういう考え方大変さをわかっていたと思います。野球は一番初めに、お母さんを応援していかないといけないんだって。
坪井 あとは女子プロ野球へのサポートをもう少しお願いできればと。女子プロ野球の選手の方から聞いて感じたのは、NPBの方々は食事だったり、食事手当てとかがあると思うんですけど、女子のプロは遠征とかに行っても、コンビニで買ったりするんです。環境や待遇が全然違うので、頑張ることがすごい難しい。選手のレベルアップにつながるサポートがあってもいいかなと思います。
小林 僕が在籍したロッテや巨人の方々と話しているのですが、女子が(外で)働かずに、野球をやる環境、チームを作ることや、大会など目標にできるものを何か1つでもあれば良いので、作ってもらえたらなと話していますね。埼玉西武ライオンズレディースさんなど少しずつNPBの支援が出てきていますが、もっとバックアップできればいい。
坪井 大学まで野球を続けている妹が、就職するのか、野球で次を目指すのかとなった時、女子プロ野球は経済的にも、時間的にも自分には向いてないと言ったんです。もったいないなと思いました。妹は今まで小学生から大学生まで野球を続けてきて、野球が大好き。野球に関わる仕事がしたいと言っています。未来を描けるような女子野球の世界が広がっていって欲しいし、魅力的な女子野球界であってほしいです。
小林 今は女性を引きつけないとプロ野球だっていけないわけです。球場には女性ファンがすごく増えました。昔のロッテはオープン戦のジャイアンツ戦が一番、お客さんが入ったと言われたこともあったくらい(笑)。今は球界屈指の人気チームにロッテはなりましたが、やっぱり女性の力が強い。女性に愛される野球界でありたいなと思います。
(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)