東日本大震災を乗り越えた「野球の底力を…」 楽天が歩んだ歴史を振り返る
広がる支援の輪、現在も続く復興支援
東日本大震災から9年が経った今も、新入団選手が毎年被災地を訪問するなど、継続して復興支援を行っており、ユニホームの左袖には「がんばろう東北」のワッペンが縫いつけられている。特に辰己涼介外野手は「楽しんでやっている姿を見せることしか、傷が癒えていない人にできない」とし、本塁打を打った際にベンチ横のカメラにこのワッペンをアピールするパフォーマンスを見せるなど、選手たちも東北に元気を届けようと必死に戦っている。
2014年には、震災以降屋外でのびのびと体を動かす機会が減ってしまった子どもたちのため、株式会社楽天野球団を中心に「TOHOKU SMILE PROJECT」が設けられた。子どもたちのためのスポーツ施設設立のために寄付金を募っており、これまで福島県相馬市の「相馬こどもドーム」をはじめとして、東北各地に計3施設を設立。現在も継続して寄付金を募っており、今年6月には宮城県名取市「こどもアスレチック」を設立した。
また毎年開催されている「TOHOKU SMILE デー」では試合当日に選手による募金の呼びかけを実施。当日使用するベースや試合球、選手が練習で着用するTシャツも特別仕様となっており、後日これらにサインを入れたものがチャリティー販売され、収益が「TOHOKU SMILE PROJECT」寄付される流れとなっている。また、アカデミーコーチ指導のもと、子どもたちが思いきり体を動かして遊べるエリアを設けるなど、スポーツで子どもたちを笑顔にするためのイベントも開催されている。
9年もの月日は、人も環境もガラリと変えてしまうものだ。東日本大震災を知らない世代も増え、記憶から薄れてしまっている人も少なくはない。しかし、決して風化させてはならないこの出来事を楽天は伝え続ける。
第3回では、悲願のリーグ優勝&日本一を成し遂げた2013年シーズンを振り返っていく。
(「パ・リーグ インサイト」後藤万結子)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)