元燕・増渕竜義氏の今と88年世代への感謝とエール「佑ちゃんも可能性を秘めている」

元ヤクルト投手の増渕竜義氏【写真:宮脇広久】
元ヤクルト投手の増渕竜義氏【写真:宮脇広久】

元ヤクルト増渕氏は17年に「上尾ベースボールアカデミー」を開講「一生懸命頑張っている姿を見るのは楽しい」

 かつてヤクルト、日本ハムで最速153キロ右腕として鳴らした増渕竜義氏。埼玉・鷲宮高時代から剛腕として知られ、2006年高校生ドラフト1巡目でヤクルト入り。現在メジャーで活躍する田中将大投手、ソフトバンク・柳田悠岐外野手、巨人・坂本勇人内野手らと同じ「1988年度生まれ世代」で、1年目から1軍で活躍したが、突然発症した「イップス」にプロ野球人生を縮められた。埼玉県上尾市の野球塾の塾長となり、現在100人の教え子を抱える増渕氏が波乱万丈の半生を振り返る。2回連載の後編。

 日本ハムから戦力外通告を受け、27歳の若さで現役を引退した増渕氏。1年間は配送業、焼肉店のウエイターなどを務めながら、第2の人生を模索していた。そんな時、高校の先輩の紹介で、「株式会社Go every」の社長から野球塾の設立を持ち掛けられた。

「昔は学校の部活だけでなく、公園でもキャッチボールとかできましたが、今なかなかそうはいかない。スクールを開くことによって、プロ野球を目指す子供たちに練習に励める環境をおくりたいと考えました。僕自身、プロでやらせてもらった経験を生かして、発信していけたらいいなと……」

 まずは練習場がなければ始まらない。あちこち探すうちに、埼玉県上尾市に空き倉庫が見つかった。「もともとは資材置き場で、ホコリをかぶっていました」。荷台が昇降する「高床作業車」を使って、自らも真っ黒になりながら壁や天井を清掃。こうして、打撃練習レーンを3つ取れて、内野ノックを行うには十分な広さの室内練習場が完成したのだった。

「Go every」との共同事業という形で2017年4月、「上尾ベースボールアカデミー」を開講。塾長としてアルバイトのスタッフを指揮しながら、平日の午後4時から1時間は幼児・初心者、5時から2時間半は小学生、7時半から2時間半は中学生を、みっちり指導している。男女を問わず、硬球、軟球の両方に対応。塾生は少年野球チーム、リトルリーグ、シニアリーグなどに在籍しながら、さらなるレベルアップを志して週2~3回通って来る子が多く、現在は約100人が在籍している

 打撃練習では自ら打撃投手を務める。「子供たちがそれぞれ目標を持って、一生懸命頑張っている姿を見るのは楽しいです」と温かい視線を投げかける。「僕の方からはなるべく、ああやれ、こうやれと言わないようにしています。何のためにここに来ているのか、そのためには何を、どういう意識で練習しなければいけないのか、自分で考えながら取り組んでほしい」。

巨人坂本、ホークス柳田らと同世代「同い年の選手が活躍していると励みになりますし、力をもらっています」

RECOMMEND