楽天ドラ1早川の熱烈な“ライオンキング愛” グッズ持ち込み「国を背負える投手に」

泉犬鷲寮に入寮した楽天ドラフト1位・早川隆久【写真提供:楽天野球団】
泉犬鷲寮に入寮した楽天ドラフト1位・早川隆久【写真提供:楽天野球団】

ライオン・キングの主人公に自分を重ね「シンバのように育ってきた」

 最速155キロを誇る楽天のドラフト1位ルーキー早川隆久投手が6日、他の新人選手たちとともに仙台市内の泉犬鷲寮に入寮した。即戦力ルーキーとして1年目から2桁勝利を期待される左腕は、濃厚な“ライオン・キング愛”を披露した。

 早川が入寮に際して必携アイテムとして持ち込んだのは、家族から贈られたというディズニーのアニメ映画「ライオン・キング」のキャラクターが描かれたタオルだった。「3歳か4歳の頃に初めて見て以来、ライオン・キングが大好き」というだけでなく「自分も(ライオン・キングの主人公の)シンバのように育ってきたのかなと思う。そういう意味で自分も今後、楽天のエースや、国を背負えるピッチャーになっていければと思っております」と言い、報道陣を驚かせた。

 ライオン・キングは動物の王国プライド・ランドの王の息子シンバが、父殺しの濡れ衣を着せられて国を追放され、その後、苦労を重ねながら、旅の途中で出会ったミーアキャットのティモン、イボイノシシのプンバァに支えられながら成長、やがて荒廃したプライド・ランドへ戻り、新たな王として国を再興する物語だ。

「自分も“甘ちゃん”な部分がありますが、高校(千葉・木更津総合高)時代から寮に入り、ひとり旅ではないですが、いろいろな方々に支えられながら育ってきました。そういう面でシンバと重なっていると思います」と言うほどに思い入れは強いよう。

 ライオン・キングの主題歌のタイトルで、シンバのモットーでもあるのが「ハクナ・マタタ」という言葉。「どうにかなるさ」「くよくよするな」といった意味で、早川のタオルにも「HAKUNA MATATA」(ハクナ・マタタ)という文字が躍っている。「自分の家族の間では、合言葉とまではいかないきませんが、『こういう精神で人生をやっていこうね』と話し合っています。今後も大切にしていきたい言葉です」と明かした。

 さらに、このタオルには、両親と2人の姉によってマジックペンで「最後は笑うよ!」とも書き込まれている。早川は昨秋の東京六大学リーグ戦のベンチにこのタオルを持ち込み、主将兼エースとして早大を10季ぶりの優勝に導いた。早川家の絆の強さと、家族ぐるみのライオン・キング愛をうかがわせた。

「ライオン・キングだけでなく、ディズニーのキャラクターは好き。自分は千葉出身なので、車で1時間ちょっとの東京ディズニーランドへ行くことは多々ありました」

 茶目っ気たっぷりに付け加えた早川。DeNAの山崎康晃投手が新人時代に“スヌーピー愛”を明かして話題になっていたが、早川のライオン・キングに寄せる思いも並大抵ではない。「どうにかなるさ」の精神でプロの荒波を乗り越え、まずは手始めに新人“王”を目指す。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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