楽天ルーキーたちの“アニメ愛” ドラ3藤井が「本当に共感した」作品は…

新人合同自主トレで汗を流す楽天のドラフト3位・藤井聖【写真:宮脇広久】
新人合同自主トレで汗を流す楽天のドラフト3位・藤井聖【写真:宮脇広久】

ドラ3藤井は野球漫画「MAJOR」がお気に入り

 楽天は13日、新人合同自主トレ開始後初めてのオフを迎えた。ドラフト3位の最速150キロ左腕・藤井聖投手(ENEOS)が楽しみにしていたのは趣味の「アニメ鑑賞」。とりわけ、野球漫画「MAJOR(メジャー)」への思いは熱く「苦しかった大学時代を乗り切れたのは『MAJOR』のお陰」と言うほどだ。

「MAJOR」を語る時、藤井の言葉は思わず熱を帯びる。「好きなキャラクターは圧倒的に、(主人公の)茂野吾郎です。あの生きざまを見て、野球ってこういう考え方があるのかと学びました」。同じ本格派左腕ということもあって、吾郎の姿に自分を重ねている。

 特に思い入れのあるシーンは、日本代表のクローザーとしてW杯に出場した吾郎が、決勝の米国戦で痛恨のサヨナラ本塁打を浴び、野球をやめたくなるところ。吾郎は幼馴染に誘われ、昔の仲間が野球を楽しんでいる姿を見ているうちに「もともと自分が野球をやってきたのは、純粋に楽しいから。結果に思い悩んでいるのはもったいない」と気づくのだという。

「本当に共感して、自分は何を悩んでいるのだろうと吹っ切れました」と藤井。東洋大時代は、同期にはDeNAの上茶谷、ソフトバンクの甲斐野、中日の梅津と強力なライバルがそろっていたこともあって、リーグ戦では4年間で1勝も挙げることができなかった。それでも諦めずに、社会人のENEOSで成長を遂げ、プロ入りにこぎつけるのに「MAJOR」は心の支えになった。

 同僚となったドラフト1位の早川(早大)も、ディズニーのアニメ「ライオン・キング」の主人公シンバに自分を重ね合わせていると明かす。アニメ鑑賞といっても、単なる息抜きとは限らない。未知のプロの世界に飛び込む新人選手にとって、かけがえのない人生の羅針盤となっているケースもある。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY