「“柵越え○発”はいらない情報」キャンプで専門家は選手のどこを見ているのか?
外国人の見極めのポイント「やりたいことが伝わってくる新外国人選手はだいたい成功する」
「若い選手がキャンプでアピールすべきは、ゲーム形式での結果です。シート打撃で投手に対する対応力を見せ、紅白戦で結果を出して首脳陣にオープン戦で使ってみようと思わせられるかどうか。そのためには、柵越えの数で一喜一憂しない方がいい」と野口氏は強調する。そして「監督、コーチが若手のフリー打撃を見る場合は、しっかり振る体力はあるか、1軍レベルの投手に対応できそうなスイングか、などに着目します。『柵越えを○発打ったから、試合で使ってみよう』と考える首脳陣は1人もいません」と付け加えた。
野口氏が評論家としてキャンプで新外国人打者のフリー打撃を見る場合には「やりたいことが伝わってくる選手はだいたい活躍します」と言う。昨年のDeNAの宜野湾キャンプでは、新外国人のタイラー・オースティン内野手に釘付けに。「全く引っ張ろうとせず、逆方向のセンターから右へポンポンと柵越えを放っていた。打者にとってアゲンストの風が強く吹く宜野湾では、非常に珍しいことです。あのパワーで、あの打ち方をしていれば、日本でも結果を残すと確信しました」と振り返る。
昨季のオースティンは、守備中にフェンスに激突して首を痛めた影響で長期戦線離脱したが、65試合出場で20本塁打56打点をマーク。アレックス・ラミレス前監督に「ケガがなければ本塁打王になっていたと思う」と言わしめたほどだった。