無観客キャンプで「SNS合戦」も活発 “バズコンテンツ”で新規ファン獲得機運も
中日は公式インスタ開設、コアなファン層以外への拡散期待も
2月1日に12球団一斉スタートした春季キャンプは、多くのチームが第1クールを終えた。無観客となった球春到来を多くのファンに届けようと、SNSでの発信も活発になっている。中には、キャンプインに合わせてインスタグラムのアカウントを開設した球団も。「球団公式」ならではの貴重な写真や映像を公開し、コア層以外のファンも引き込もうという戦略もにじむ。
スマートフォンで各球団のアカウントをのぞくと、朝から多くの情報が流れ込んでくる。その日の練習メニューや選手の声出し風景、ライブ配信のお知らせ……。昼から午後にかけては打撃やブルペン投球に励む選手の様子、練習の合間に見せる自然体な姿も。宿舎でクールダウンする選手の姿を見せるケースもあり、ファンは一日中“現地の空気”に触れることができる。
一部の球団を除き、ツイッターやインスタなどのSNS、さらにはYouTubeチャンネルを開設。これまでツイッターとYouTubeを中心に発信してきた中日では今月1日、新たにインスタの公式アカウントを設けた。開始3日間で13度投稿し、積極的に選手の姿を届けている。38万人超の登録者で12球団屈指の巨人YouTubeチャンネルでも、昨年を上回るペースで更新されている。
発信力の強化は、どの球団にも共通する課題のひとつ。楽天広報グループ・マネジャーの村上修二氏も「コロナ禍を受けて新たに始めたものはありませんが、数年前からシーズン中を含めて力を入れている部分です。キャンプにいらっしゃれないファンの皆様に、楽しんでいただけたらと思っています」と話す。
すっかり社会に根付いたSNSならではの強みが生きるケースもある。選手の意外な一面や貴重なシーンが反響を呼べば、ネット上で“バズる”コンテンツに。ある球団のSNS担当者も「自分たちの球団ファン以外の目に留まり、コメントをくれることもあります」と実感。既存のコア層だけでなく、新たなファン獲得にもつなげられるとみる。
そのため多くの球団は単に写真や映像を流すのではなく、テーマ性や希少性を強調した投稿を意識。コメントやハッシュタグに工夫を加えている場合もある。新型コロナウイルス感染拡大の厳しい状況でも、決して離したくないファンとの距離。3月26日の開幕に向けて選手らが汗を流す一方で、各球団による“SNS合戦”も盛り上がっている。
(Full-Count編集部)