なぜ松中信彦臨時コーチを招聘したのか? ロッテ井口監督が独白「僕も同じ意見」

今季のチームスローガン「この1点を、つかみ取る」【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
今季のチームスローガン「この1点を、つかみ取る」【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

勝つために「この1点」を求める徹底采配「応えられなければ、容赦なく入れ替える」

 その中で生まれた今年のスローガンが「この1点を、つかみ取る」。「この1点」と言っても、漠然と考えている選手もいると思うので、1点が持つ価値をもっともっと深掘りして、1点を取るための意識を変えていこう、とミーティングでは話しました。

 走者であれば1つ先の塁を狙ったり、打者は1死二塁でアウトになっても走者を進めて2死三塁としたり。守備で言えば、走者一塁でどうやって盗塁を防ぐか。バッテリーだけではなく、二遊間のタッチ1つでアウトになるかもしれない。投手も1点を取られないための工夫はできる。

 どう1点を取るか、どう1点を守り切るか。チーム全員が1つのボールに対して、そして野球そのものに対して、もっと意識を高めていこう、という想いが込められています。

 就任からこの3年間、チームの土台作りから始まり、ようやく優勝争いができるラインまで来ました。これを1、2年で終わらせるのではなく、5年後も10年後も常に優勝争いするようになるためには、もう1つ意識を高めたいところです。

 ご存じの通り、パ・リーグは投手のレベルが高く、なかなか1点を取るのが難しい。その中で、たとえば走者三塁であればゴロでもホームインすることもできます。ヒットやホームランじゃなくても点が取れると分かっていれば、打者は引き出しが増えてもっと楽に打席に立てる。何ができるのか、最低でも何をするべきなのか。そこを選手が考えて、みんなで共有できれば、もっと勝てるはずです。

 今年はとにかく「この1点」を求めて采配するので、そこに対して選手はどうアプローチするのか。いつまでも同じでは後退しているのと一緒。当然、選手に求めるものは毎年高くなっています。ただ、それに応えられなければ、今年は容赦なく入れ替えていくことも伝えました。

 その代わり、こちらも引き出しを増やすきっかけは用意しています。松中(信彦)さんにキャンプでの臨時コーチをお願いしたり、森脇(浩司)さんを1軍野手総合兼内野守備コーチとして招いたことも、その一環です。

優勝するには「選手を変える前に、コーチも変わらなければいけない」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY