中日開幕投手を大野雄に即決できない現状 “決定日”迫るも与田監督「ゆっくり見て」

中日・柳裕也(左)と福谷浩司【写真:小西亮、荒川祐史】
中日・柳裕也(左)と福谷浩司【写真:小西亮、荒川祐史】

昨季の沢村賞左腕が「最有力」としながらも…慎重なスロー調整の現状

 中日の柳裕也投手は16日、自身にとって今季初の対外試合となる日本ハムとの練習試合(北谷)に先発し、2回を4安打1失点と課題を残した。与田剛監督が開幕投手の最有力と言うエース大野雄大が状態に気を配りながら調整をする中、対抗馬として期待されるのが柳や昨季8勝の福谷。今月下旬には決定したい意向を示している指揮官にとって決定打に欠ける状況だが、あくまで泰然自若を貫く。

 柳は初回、2本の単打と四球で無死満塁のピンチに。昨季の打点王・中田は空振り三振に仕留めたものの、続く大田に左犠飛を許して先制を許した。2回も先頭から連打を許して1死二、三塁となり、後続をフライに打ち取ってなんとか難を逃れた。

 2019年には11勝を挙げた右のエース候補。今キャンプでは順調に調整を進めてきた。この日は精彩を欠いたものの、まだ本格的な実戦は始まったばかり。与田監督は「持ち味のコントロールがよく出せなかったという印象です」と淡々と振り返る。

 誰に3月26日の広島戦のマウンドを託すか――。「もちろん開幕投手の最有力」と指揮官が絶大な信頼を寄せるのは、昨季の沢村賞投手。第3クールでは、100球以上投げ込む日もあったが、昨季の疲労も考慮しながらキャンプを通して慎重に調整を進めているのは確か。そんな現状もあって、他の投手陣の競争を促してきた。

 この日は、候補者になってもおかしくない面々が登板。小笠原慎之介は2番手で2回をパーフェクトに抑えた。3番・近藤、4番・中田、5番・大田と主力もねじ伏せ、与田監督も「力のあるストレートで安心しました。まだまだスピード、威力は増してくる」とうなずく。さらに、すでに開幕投手に立候補している松葉貴大や、2019年に開幕投手を務めた笠原祥太郎もこの日に登板した。ただ、昨季の実績を考えると、思い切って開幕に抜擢するには勇気がいるのも確かだ。

 今後、昨季8勝を挙げた福谷浩司が対外試合のマウンドを迎えることになる。この日、開幕投手について問われた与田監督も「まだみんな投げてないんだから。開幕投手(を聞くことばかり)にそんなにこだわらず、ゆっくり見てやってください」とはやる報道陣を制した。

 決定時期については従前から「1か月と1週間を残した時期には決めないといけないと思っています」と明言。3月26日から逆算すると、今月下旬あたりが“Xデー”となる。大野雄か、柳か、福谷か、それとも……。遠からず指揮官が決断することになる。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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