中日・根尾、難しい“高卒3年目の覚醒”に見出す勝機 冷静な自己分析で京田に挑む

中日・根尾昂【写真:小西亮】
中日・根尾昂【写真:小西亮】

ヤクルト村上や巨人坂本は高卒2年目に台頭も…圧倒的に高い壁

 遊撃でのレギュラー奪取を宣言し、春季キャンプでアピールを続ける中日の根尾昂内野手。高卒野手がプロ3年目でブレークするのは、過去の例を見ても壁は高い。さらに、京田陽太内野手という不動のレギュラーがいる中での挑戦は難しくも思えるが、根尾自身は冷静に自らの現在地を捉え、勝機を見出そうとしている。

 プロ2年目は1軍で9試合に出場し、プロ初安打を含む2安打をマーク。外野にも挑戦し、その秘めたポテンシャルを最大限に生かす選択肢を首脳陣とともに模索した。ただ今季は、入団以来こだわってきた遊撃1本での挑戦を宣言。首脳陣からもその心意気を買われ、キャンプでは京田と共に練習してきた。

 投手に比べて時間がかかるとされる野手。まして20歳前後の高卒3年目に1軍で台頭するのは容易ではない。現在チームでキャプテンを務める高橋周平は、規定打席に到達するまで7年かかった。大阪桐蔭の先輩である平田良介も、チームの主力となったのは6年目だった。

 他球団では近年、ヤクルトの村上宗隆が2年目に36本塁打、96打点を叩き出して一気にブレーク。巨人の坂本勇人は2年目に全試合出場を果たし、3年目には打率.306を記録した。ただ、現在の球界を引っ張る広島・鈴木誠也やヤクルト・山田哲人らは4年目に台頭しており、3年目のハードルの険しさはよく分かる。

 ただ、根尾にとってはあくまで人は人、自分は自分。「レギュラーを取れるかどうかは、やってみないと分かんないですし、勝手に自分で難しいと言い聞かせておく必要はないと思います」と言い切る。プロでの2年間を過ごし、体力と技術の両面で成長を感じているのも確か。着実な前進に何かきっかけが加われば、大きな転機を迎えることだってある。

 目標は明確。レギュラーの京田を押しのける以外、道は開けない。ただ闇雲に走好守の練習をするだけでなく、現状に即した自己分析も怠らない。「勝つために自分の良さを考えましたし、その上でまずは守備だなと」。現状で最も差が開いているとされる守備面を底上げすることで、まずは勝負の土俵に上がろうという思いもにじむ。

 倒すべき相手となる京田も実戦を重ねる時期に入っており、グラウンドでもらえるチャンスは少なくなってくる。超一流への登竜門でもある3年目での覚醒。そのチャンスを得る瞬間を掴み取るため、虎視淡々と力を蓄えている。

(Full-Count編集部)

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