防御率と奪三振数、ホールドポイントの相関性は? データで見る投手分業制
奪三振王の存在とチーム奪三振数の相関性は…
次に、最多奪三振のタイトルを獲得した投手たちについて見ていく。各投手の奪三振数、所属チームの合計奪三振数、および奪三振リーグ1位のチームは、それぞれ下記の通りだ。
当然ながらそうそうたる顔ぶれが揃っているが、このうち「奪三振王を輩出したチーム」と「奪三振数1位のチーム」が同じだったのはわずか四度だった。奪三振王の活躍がチームの奪三振数向上にまで波及することは、意外と少ない傾向にあるようだ。
中でも、則本昂大投手は2014年から5年連続で奪三振王に輝き、4年連続で200奪三振以上を記録するという圧倒的な実績を残したが、その期間中に所属チームの楽天がリーグトップの奪三振数を記録したのは一度だけ。その一度というのが、唯一200奪三振に届かなかった2018年というのも興味深いが、チームの奪三振数を伸ばすためには、傑出した個人よりも投手陣全体のバランスが重要なのかもしれない。
しかし、2019年以降はその傾向も変化した。「奪三振王を輩出したチーム」と「奪三振数1位のチーム」が同じという状態が、2020年まで3シーズン続いている。ともに日本一となった2019年と2020年のソフトバンクを支えたのは投手陣だったということが、ここからも改めて見えてくる。