防御率と奪三振数、ホールドポイントの相関性は? データで見る投手分業制

リリーフの成績がチームに及ぼす影響の大きさ

 なぜ2015年から、防御率とホールド・ホールドポイントに見られる相関性がここまでわかりやすくなっていったのか。ホールド・ホールドポイントがリリーフの指標であることを考えれば、その理由としてはまず、投手分業制が進み、先発・中継ぎ、抑えの役割分担が明確になったこと、つまりリリーフの担う役割が大きくなっていることが挙げられるだろう。

 パ・リーグでは、シーズンの規定投球回に到達する先発が減少傾向にあり、その人数が2桁に達したのは2017年が最後。200投球回到達は2014年の楽天・則本投手が、10完投達成は2013年のオリックス・金子千尋投手(現日本ハム)が最後となっている。

 そしてこのように、完投する、長いイニングを投げる先発の数が減るということは、その分、リリーフが消化するイニングは増加しているということだ。必然的に、彼らの登板数やその投球内容は、チームの投手陣全体の成績により大きな影響を及ぼすようになる。その結果、投手陣全体の指標である「防御率」と、リリーフの指標である「ホールド・ホールドポイント」の相関性が高まっていったことが考えられる。

 後編では、先発とリリーフの成績を比較し、リリーフの能力と防御率、奪三振の相関性も掘り下げた。数字から見えてくる現代野球の姿、興味深い変化について、より深く迫っていきたい。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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