「イケる球はブチ込む」西武・山川、“悪球打ち”衝撃弾の裏にある対照的な繊細さ

オープン戦3号ソロを放った西武・山川穂高【写真:宮脇広久】
オープン戦3号ソロを放った西武・山川穂高【写真:宮脇広久】

顔の高さの悪球をバックスクリーンへ「去年の打ち方では難しかった」

■DeNA 5-1 西武(オープン戦・19日・メットライフ)

 西武の山川穂高内野手は19日、本拠地メットライフドームで行われたDeNAとのオープン戦でバックスクリーン弾を放ち、3年余りに渡る改修工事が完了した本拠地で“リニューアル後初どすこい”を演じた。昨季は打率.205の大不振で、3年ぶりV逸の要因に。復活を果たせるかどうかは、本拠地での打棒が鍵になる。【宮脇広久】

 漫画のような一発だった。山川は4回、相手先発の浜口のチェンジアップが顔の高さに浮いたところを一閃。打球はバックスクリーンへ飛び込んだ。初回の第1打席で真ん中低めのチェンジアップを打たされ遊飛に倒れていていたことから、「それ系の球を待っていた」とあってタイミングはバッチリ。明らかなボール球の“悪球打ち”ではあったが「『ストライクだけを打つ』という意識だと、受け身になってしまうことがある。『イケると思った球は全部(スタンドに)ブチ込む』意識でいきたい」と豪快に言い放った。

 2018、19年にいずれも40発以上で連続本塁打王に輝いた主砲は昨季、あえて長打力はそのままに確実性アップを目指し、コンパクトなスイングに改造。これが思うに任せず、昨年8月9日に右足首を痛めた影響もあって打率.205、24本塁打、73打点と不本意な成績に終わった。今季は、基本的に一昨年までのフォームへ戻し、オープン戦12試合で打率.286(42打数12安打)、3本塁打11打点と順調に仕上がっている。この日の“悪球打ち”は「去年の打ち方では難しかった」と笑った。

「2018、19年はメットライフドームでの打率が高かった。1番打ちたいと思っている球場です」と語る通り、シーズン試合数の約半分を占めるメットライフドームで、2018年は打率.324、27本塁打、2019年も.281、16本塁打と打ちまくったが、昨年は.186、10本塁打と低迷した。

 その本拠地は、3年余りの歳月と約180億円の資金を費やしたリニューアル工事が完了。特にセンターのスコアボードは、319.84平方メートルから約2倍の601.62平方メートルに拡大され、迫力が増した。山川は改修後初戦となった16日の広島戦終了後、「打席からの見える景色の変化」を入念にチェック。自分は右打席に立ち、球団スタッフをマウンドに立たせて、右投手と左投手、ぞれぞれプレートの一塁側を踏んだ場合と三塁側を踏んだ場合とに分けて、シャドーピッチングをさせた。さらに、マウンドから打席に立つ自分の姿をスマホで撮影してもらい、投手側からの見え方、打席に立つ位置、姿勢などもチェックした。打撃は豪快そのものに見えるが、感覚はかくのごとく繊細だ。

 昨年は無観客での開幕だったが、今月26日からのオリックスとの開幕3連戦(メットライフ)は入場制限下とはいえチケットが完売。「今は(オリックスの開幕投手の)山本(由伸)君に照準を合わせている」という山川は、開幕早々ファンとともに「どすこい」ポーズを決めるシーンまで思い描いている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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