エース襲名へ…西武・高橋光成に足りないもの 「まだバラバラ」鍵は恩師の“宝刀”

DeNA戦に先発した西武・高橋光成【写真:宮脇広久】
DeNA戦に先発した西武・高橋光成【写真:宮脇広久】

3・26初の開幕投手へ“予行演習”終了「変えることはない」

■DeNA 5-1 西武(オープン戦・19日・メットライフ)

 西武の開幕投手を務めることが決まっている高橋光成投手は19日、本拠地メットライフドームで行われたDeNAとのオープン戦に先発し、5回を3安打7奪三振1四球で2失点(自責点1)。同じく本拠地で26日に行われるオリックスとの開幕戦へ向け、“予行演習”を終えた。【宮脇広久】

 140キロ台終盤のストレートやカットボールをコーナーに決め、3回先頭の1番・神里から4回先頭の4番・佐野まで4者連続で奪三振。初回に中村の適時失策で先制点を許し、4回1死からは宮崎にインハイのスライダーを左翼席へ放り込まれたものの、プロ7年目で初めて務める大役へ快調な仕上がりと言える。辻監督は「低めのストレートは引っかかることも、垂れることもなく、伸びを感じさせた。心配していたが、安心した」と胸をなでおろした。

 190センチ、105キロの体格から放たれる速球はやはり威力十分。高橋自身「ストレートは質も、コントロールも良かった。(開幕は)1週間後なので、変えることはない。今までやってきたことを振り返りながら迎えたい」と納得顔。一方で「スライダー(の制球)はまだバラバラ。課題として、今後ブルペンで克服していきたい」と反省も忘れなかった。

 昨季8勝8敗の数字はエースと呼ぶには物足りなかったが、昨年9月には“2試合連続ノーノー未遂”で話題になり、潜在能力の高さを見せつけた。恩師の西口文也投手コーチに至っては、高橋と同じ背番号「13」を付けていた現役時代、9回2死までノーヒットに抑えること2度。さらに9回まで1人の走者も許さずパーフェクトに抑えながら、両軍無得点で延長戦に突入して10回先頭にヒットを打たれて三たび大記録を逃している。奇しくも無安打無得点に縁のない背番号になっているが、開幕投手の系譜も、通算5度務めた西口コーチからきっちり継承した。

 その西口コーチの代名詞といえば、抜群の切れを誇ったスライダー。高橋は課題克服へ「西口さんは凄いスライダーを投げていたので、どういう感覚だったのか、どういう所へ投げていたのか、いろいろ聞きながら取り組んできた。確認しながらやっていきたい」と語る。伝家の宝刀とともに、押しも押されもせぬエースの称号を受け継いでほしいものだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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