菊池雄星はサイ・ヤング賞の“ダークホース” MLB公式「顕著な改善を見せていた」

マリナーズ・菊池雄星【写真:AP】
マリナーズ・菊池雄星【写真:AP】

一昨年と比較し、昨年で球速や空振り率などが劇的に向上したという

 メジャー3年目を迎えたマリナーズの菊池雄星投手。過去2年の防御率はいずれも5点台に終わっているが、MLB公式サイトはサイ・ヤング賞のダークホースを10人挙げ、その内の1人に菊池を選出している。今季は飛躍となるだろうか。

 MLB公式サイトは、5人の記者がサイ・ヤング賞の「ダークホースを」両リーグから1人ずつ選出。2019年と2020年にサイ・ヤング賞の票が入った投手、球宴に選出されたことがある投手は除外するという条件で10人ピックアップしたところ、その内の1人に菊池の名前が挙がった。

 菊池はメジャー1年目の2019年が32試合登板で6勝11敗、防御率5.46、昨年は9試合で2勝4敗、防御率5.17だった。しかし、MLB公式は、奪三振、与四球、打球の発射角度などから算出された昨季の防御率の期待値は3.37だという。

 MLB公式のアンドリュー・シモンズ記者は「一見すると、キクチのNPBからMLBへの移行は厳しいものだった」とした上で次のように指摘した。「水面下では少ないサンプルであろうともキクチは2年目に顕著な改善を見せていた。フォーシームの球速(2.5マイル=約4キロアップ)と縦方向の変化を増加させ、フォーシームのWhiffレート(空振り率)はおよそ2倍となった。効果的なカッターをレパートリーに加え、改良されたスライダーのWhiffレートは劇的に向上した」。

 同記者によると、一昨年と昨年とでは全く見違えたという。菊池は効果的な4つの球種を備え、50%以上のゴロ率と24%以上の奪三振率を記録した8人の投手(40イニング以上)の内の1人であると指摘。投手の評価指標「FIP」3.30と「防御率期待値」3.37は「共により良い防御率に値する投手であることを示唆している。これに制球が改善されれば、第一線の先発投手として台頭するチャンスがあるだろう」と解説している。

(Full-Count編集部)

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