254三振ペースで量産…佐藤輝明の“空振りの是非”は? 専門家が見解「副産物です」

低迷の要因は徹底した内角攻め「相手から一流の素材と認められている証し」

 公式戦初のベンチスタートとなったこの日、6回2死満塁で相手投手が先発左腕・小笠原から右腕・鈴木に代わると代打で登場。カウント2-2から内角低めの148キロの速球を叩き、打球は満塁弾を期待させる角度で舞い上がったが、右翼フェンス際であえなく右翼手・平田のグラブに収まった。

 低迷の要因は、開幕前から予想されていた通り、オープン戦での活躍を受けて相手が徹底した内角攻めを行っているからだという。この日も5球中4球が内角。野口氏は「インコースを過剰に意識させられ、重心がかかとにかかり、開きが早くなっている。今の打ち方では、この日のように詰まるか、芯に当たればファウルになる」と指摘しつつ、「ここまで徹底して攻められるのは、相手から一流の素材と認められている証し。なんとか乗り越えなければならないし、いずれ乗り越えるだろうと思います」と語った。

 また、球界の常識とは逆に左打ちでありながら、対左投手の打率は.375(8打数3安打1本塁打4三振)と好調。一方で対右投手には.043(23打数1安打1本塁打12三振)とからきしだ。野口氏は「持っている球種などによっても違いますが、一般に左打者の内角には、右投手の方がコントロールしやすいからでしょう」と見る。

「インコースさえやっつければ、相手は得意なコースにも投げてくる。佐藤輝本人もそれがわかっているから、積極的に内角球に手を出している」のが現状。大物新人が目の前の課題をクリアした時、驚異的な三振のペースにも変化が起こるはずだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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