開幕4連勝からの5連敗… それでも鷹・工藤監督が悲観していないのはなぜ?

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

6日の日本ハム戦から千賀とモイネロが復帰「メンバーも戻ってくれば、変わるのかな」

■西武 4ー2 ソフトバンク(4日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは4日、本拠地PayPayドームでの西武戦に2-4で敗れた。先発の和田がドラフト1位ルーキー渡部にプロ初アーチとなる2ランを浴びるなど4失点。打線も9安打を放ちながら繋がりを欠いて、開幕4連勝のあと5連敗となった。

 西武に本拠地で3連敗を喫するのは2004年以来、17年ぶりのこと。投打の歯車が噛み合わずに5連敗となり、4年連続日本一となっている王者ソフトバンクが借金生活に陥った。だが、試合後の工藤公康監督は「我慢するところはしないとね。あと1本というところにはなりましたけど、その1本が常に出ていれば苦労はないので。形はできるようになったので少しずつは前に進んでいるのかなと思います」と淡々としたものだった。

 9試合を終えて借金1となったが、昨季は9試合を消化した時点で3勝6敗と借金を3つ背負っていた。今年同様にエースの千賀滉大こそいなかったが、東浜巨や助っ人のムーアら先発投手陣は十分な厚さを誇っていただけに、苦しい船出だった。ただ、蓋を開ければ、シーズン終盤のスパートでゴールテープを切っている。

 ソフトバンクはシーズン終盤に強さを発揮する。毎年のように優勝争いを繰り広げ、選手たちはシーズンの戦いを熟知している。スタートダッシュももちろん大事だが、それ以上に大事になるのは、夏場以降、勝負の終盤戦でのラストスパート。正直、選手たちのエンジンがまだフル回転していないようにも映る。

「少しずつは前に進んでいるのかなと思います」との工藤監督の言葉がそれを表している。主砲の柳田悠岐外野手が1軍に復帰したのは、オープン戦残り1週間となってから。グラシアルとデスパイネの助っ人2人の1軍合流は柳田よりも遅かった。確かに中村晃や周東佑京、松田宣浩らの不振は気がかりだが、まだまだ浮上の余地を残していると言えるのではないか。

 エースの千賀滉大は6日の日本ハム戦で先発復帰を果たす。調整が遅れていた“最強”セットアッパーのリバン・モイネロ投手も同じく6日から1軍に合流する。工藤監督も「メンバーも戻ってくれば、変わるのかなと思います。戻ってくるのは、ほぼほぼ投手。野手はほぼベストで戦っていますからね、その辺が投手との兼ね合いがうまくいくことで勝利に近づくのだと思います」と、2人の復帰でのチームの“変わり身”に期待していた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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