西武37歳・中村剛也が最後の砦? 手負いの獅子でチーム打撃3冠と奮闘

2回に2号ソロを放った西武・中村剛也【写真:宮脇広久】
2回に2号ソロを放った西武・中村剛也【写真:宮脇広久】

開幕スタメンの4、5、6番が相次ぎ離脱する中でベテラン大砲が活躍

■楽天 13ー2 西武(6日・メットライフ)

 故障者続出の西武にとって、最後の砦だ。中村剛也内野手は6日、本拠地メットライフドームで行われた楽天戦に「4番・三塁」で出場。1点を追う2回、かつての同僚である岸孝之投手から左中間へ同点2号ソロを放った。その後投手陣が乱れ、試合は2-13で大敗したが、中村は同日現在チームトップでリーグ5位の打率.321、リーグトップに1差の9打点をマークしている。

 2回先頭で打席に入った中村は、カウント1-2と追い込まれながら、インハイのやや甘めに来た140キロのストレートを捉え左中間席へ放り込んだ。「打ったのは真っすぐ。打ててよかったです」。例によって球団広報を通じてのコメントは淡々としたものだったが、6回1死三塁でも右犠飛を打ち上げ、この回限りでベンチに退いた。この日の西武の得点は、この2点が全てだった。

 西武は今季、開幕から悪夢のように故障者が続出している。3月26日の日本ハムとの開幕戦に「5番・DH」で出場した栗山巧外野手は、2打数2安打1打点1死球の活躍で勝利に貢献。ところが、翌27日から「下肢の張り」で欠場した。同30日には、開幕から4試合連続で4番を務めた山川穂高内野手が、本塁打を放った直後に左太ももを痛める。栗山と山川は31日にそろって出場選手登録を抹消された。

 極めつけは、栗山離脱後に5番に昇格していた外崎修汰内野手。3日のソフトバンク戦で左足首付近に死球を受け、「腓骨骨折」と診断され翌4日に登録抹消となった。西武は開幕戦スタメンの4、5、6番をあっと言う間に失った。楽天にゲーム差なし(勝率5分差)に肉薄されたとはいえ、首位の座にいるのは、“おかわり君”こと中村の働きに負うところが大きい。

 もっとも、その中村自身、今年2月のキャンプ序盤に左ふくらはぎを痛め、別メニュー調整となり開幕に間に合うかも危ぶまれた。オープン戦に出始めたのは、開幕前残り3試合となってから。栗山と並ぶチーム野手最年長の37歳は、故障の危険と隣り合わせと言える。この日、2-11と大量リードを許すと7回の守備から早々とお役御免となったのも、そのためだ。

 オープン戦で中村の定位置を脅かすほどの活躍を見せていたドラフト6位ルーキーのタイシンガー・ブランドン大河内野手(登録名ブランドン)も、熱中症と診断され3日に抹消された。日に日に中村の存在が重要度を増している。いかに壊さず、有効に起用していくか。首脳陣の手綱さばきも問われる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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