打率トップ、打点&本塁打は2位… 楽天・茂木、絶好調の裏に“相談役”の存在

西武戦で激走する楽天・茂木栄五郎【写真:宮脇広久】
西武戦で激走する楽天・茂木栄五郎【写真:宮脇広久】

渡辺直人打撃コーチに感謝「打席に迷いなく入れる」

■楽天 4ー0 西武(8日・メットライフ)

 楽天のキャプテン、茂木栄五郎内野手の勢いが凄い。8日の西武戦(メットライフドーム)では、2回にバックススクリーン右へ先制4号ソロを放ったのを含め、4打数3安打3打点で勝利に貢献した。同日現在でリーグトップの打率.405をマーク。4本塁打はリーグトップのロッテ・マーティンに1差の2位タイ、13打点もトップのロッテ・安田に1差の単独2位で、首位を走るチームの原動力となっている。

 この日はまず、プロ初登板初先発となった20歳の右腕・上間に先制弾を浴びせ、5回には左腕・佐野への代わり端のとらえて左越え2点二塁打。8回には右腕・伊藤に左前打を見舞った。茂木は「正直言って、でき過ぎのところもあります」と謙遜。「直人さんといろいろ話をしているので、打席に迷いなく入れることが多い。凡退しても切り替えて次に行けます。納得できる打席が増えていることが、こういう結果につながっていると思います」と語り、昨季限りで現役を引退した渡辺直人打撃コーチに感謝する。

 今季は開幕から全12試合に「5番」でスタメン出場(三塁11試合、DH1試合)。昨季に続いてチームの主将を務める27歳は、三塁守備でもキビキビとしたフットワークを見せ、常に周囲へ気を配っている。「ベンチから声が凄く出ていて、選手を後押ししてくれている。チームの雰囲気もいいのではないかと思います」とうなずくように、茂木自身が盛り上げている部分も大きい。

 神奈川・桐蔭学園高、早大を経たプロ6年目。チームに及ぼす影響が大きいだけに、なおさら故障が怖い。昨季は9月下旬に腰を痛め、1か月以上を残してシーズンを終えてしまった。73試合出場にとどまり、打率.301をマークしたものの、規定打席に届かなかった。一時は首位を走っていたチームも、後半に失速しBクラスの4位に終わった。

 石井一久監督は「茂木にはチームを引っ張ってほしいから、キャプテンをお願いしている。ここまでしっかり引っ張ってくれている」とねぎらった上で、「1年間試合に出続けてファイトすることが、彼自身の目標だと思うし、チームとしても彼がいてくれることが1番。1年間コンディションを保って頑張ってほしい。僕たちもそこのサポートをしていくつもりです」と強調した。

 実力も、キャプテンシーも折り紙付きで、不安はケガだけ。男・栄五郎がシーズンを全うすることができれば、チームも8年ぶりの優勝へグンと近づくことになる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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