パ・リーグで開幕直後に本塁打が“急増” 多い捕手登録の一発、要因はどこに?

開幕2カード目までに本塁打を記録した選手【画像:(C)パ・リーグ インサイト】
開幕2カード目までに本塁打を記録した選手【画像:(C)パ・リーグ インサイト】

開幕カードで記録された18本中、7本が捕手登録選手によるもの

 昨季の本塁打数がリーグ2位だった中田は、6試合終了時点で1本もホームランを記録していない。また、昨季の本塁打王である浅村もまだ1本と、実績ある長距離砲の多くがまだ量産体制には至っていない。それにもかかわらず、リーグ全体の本塁打数は増加しているという事実が「どこからでも本塁打が飛び出す」という状況を端的に示している。

 また、開幕直後にハイペースで本塁打を量産する選手もこの段階では存在せず、多くの選手が満遍なく本塁打を記録していた点も特徴的だ。すなわち、リーグ全体の本塁打増という傾向は、特定の選手の覚醒によってもたらされているわけではないということでもある。

 ポジションという観点でいえば、開幕カードで記録された18本のホームランのうち、7本が捕手登録の選手によって記録されている点も興味深い。開幕3戦目までに太田と森が2本の本塁打を記録しただけでなく、頓宮、吉田、甲斐といった捕手登録の選手たちが、3戦目までに早くも本塁打を記録している。

 一般的に、捕手というポジションは守備の負担が大きく、打撃面で結果を残すのは難しいとされている。ただ、それぞれ2度のベストナイン受賞歴を持つ森と甲斐をはじめ、頓宮も昨季はわずか12試合で2本塁打、打率.313と打撃面で優れた才能を示していた。パンチ力のある捕手は各球団で増加傾向にある。そして、昨季17本塁打の栗原は登録ポジションこそ捕手ながら、外野手や一塁手としての出場が大半となっている。

 その一方で、昨季は67試合で2本塁打、打率.200と打撃面では苦戦した太田が早くも昨季の本塁打数に並び、昨季までの7年間で通算本塁打が8本だった吉田も、オープン戦での好調を開幕戦で結果につなげた。下位打線や代打で出場する捕手に意外性のある一発が生まれている点が、今季の流れを象徴している面もあるだろう。

延長戦がなく9回打ち切り制も本塁打の傾向に影響?

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