「豆苗」のニックネーム返上? 低迷DeNA支える大貫、沢村賞左腕に譲らぬ快投

「『やってやるぞ』と強い気持ちで」…指揮官も評価「よく踏ん張った」

■DeNA 0ー0 中日(20日・横浜)

 ひょろっとした体形から「豆苗」のニックネームで呼ばれたイメージはもうない。3年目のDeNA・大貫晋一投手が20日、本拠地・横浜スタジアムで行われた中日戦に先発し、7回6安打1四球無失点の快投を演じた。打線の援護がなく、試合は0-0の引き分けに終わったが、今季は最下位に低迷するチームを支えるエース級の働きを続ける。

 チームの連敗を「8」でストップさせるべく、昨季沢村賞に輝いた大野雄を向こうに回し一歩も引かず奮闘した。7回には無死一、三塁の大ピンチを背負ったが、阿部をスプリットで遊直に、木下拓をチェンジアップで二飛に仕留め、犠飛すら許さない。続く大野雄も二ゴロに打ち取った。

「先に点を取られないように、ランナーを出塁させても粘ることができました。『やってやるぞ』と強い気持ちを持ってマウンドに向かいました」と胸を張る大貫。三浦大輔監督は「調子自体は良くなかったが、悪いなりによく踏ん張った」と評した。

 高校時代から右肘痛を抱え、日体大時代にトミー・ジョン手術を受けた苦労人。新日鉄住金鹿島を経て2018年ドラフト3位で入団すると、1年目から6勝(5敗)を挙げ、オフに派遣された豪州リーグでさらに成長を遂げた。2年目の昨季はチーム最多の10勝(6敗)をマーク。時間をかけて漕ぎつけたプロの世界で、トントン拍子で力をつけている。

 公称の身長181センチ、体重73キロは昨季と変わらないが、オフの間に5~6キロ増量したそうで、実際に見た目も投球も力強さを増した。エースの今永昇太が昨年10月に左肩の手術を受けて出遅れ、手薄となった先発投手陣を牽引している。

 今季4試合で24回2/3を投げ、チームでただひとり規定投球回数をクリア。1勝1敗、防御率3.28と個人的には上々のスタートを切った。5月には今永や新外国人右腕ロメロの1軍合流が見込まれている。それまで耐えしのぎ、反転攻勢につなげる覚悟だ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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