5失点4回KO→6回までノーノーの快投 中日3年目右腕が1週間で見せた“変わり身”

中日・勝野昌慶【写真:荒川祐史】
中日・勝野昌慶【写真:荒川祐史】

20歳・石橋が今季初スタメンマスク「いいリードに応えられてよかった」

■中日 7ー1 DeNA(22日・横浜)

 中日3年目の勝野昌慶投手は21日、敵地・横浜スタジアムで行われたDeNA戦に先発し6回まで無安打2四球の快投。7回先頭のオースティンに1号ソロを浴びたが、7回2安打2奪三振2四球1失点で今季2勝目(1敗)を挙げた。

「今までずっとチームに迷惑をかけ続けていた。石橋のいいリードに応えられてよかった」。快投を演じた割に、お立ち台でいまひとつ浮かない表情に見えたのは、前回登板の14日・巨人戦で4回5失点KOされ、先発ローテ剥奪の危機に立っていたからだろうか。崖っぷちの右腕は見違えるような投球を見せた。

 ストレートは140キロ中盤だが、スライダー、フォーク、カーブなどを交え、丁寧に低めに集めた。与田剛監督は「(試合前に)横浜打線は強力なので高さを間違えないように、と言ってあった。いい所に投げられていた。ストライク先行でナイスピッチングだった」と称えた。

 オースティンにはファウルで4球粘られた末、フルカウントから9球目の144キロ内角速球をバックスクリーン左へ運ばれ大記録を逃したが、「ノーヒットということは知っていたけれど、四球を出していたので特に意識はしていなかった」と淡々と振り返った。

 これで今季4試合に先発し、巨人戦とDeNA戦が2試合ずつ。巨人には計7回2/3を投げて8失点、対戦防御率9.82と散々だが、DeNAに対しては7日の対戦で5回6安打無失点に抑え今季初勝利を挙げたのと合わせ、計12回1失点、対戦防御率0.75。まるで別人だ。

 さらに、この日は捕手も変わった。今季全21試合で先発してきた木下拓哉に代わり、同期入団で20歳の石橋康太がスタメンマスクをかぶっていた。与田監督は「木下はずっとスタメンでやってきて疲労もたまっていた。石橋は打撃もいい感じで練習していたので、思い切って使ってみようと思った」と説明。「相手打者にタイミングが合っていない球種をうまく使い、いいリードをしてくれた」と高く評価した。

「低めでゴロを打たせることは、これまでも調子がいい時にはできていた。今日は課題のインコースの真っすぐを投げ切れたことに、1番手応えがあった」とも語った勝野。今度こそ2試合続けて、DeNA以外のチームにも同様の投球ができるか。次回登板で、シーズンを通して先発ローテを担う投手として真価を問われる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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