森唯斗不在で代役守護神任される鷹モイネロ 圧倒的投球の源は“弱点強化”と日本語?

ソフトバンクのリバン・モイネロ【写真:荒川祐史】
ソフトバンクのリバン・モイネロ【写真:荒川祐史】

「足りないところを見極めて、オフの間も強化できているから」

■ソフトバンク 6-4 楽天(4日・PayPayドーム)

 4日に本拠地PayPayドームで行われた楽天戦に6-4で勝利したソフトバンク。守護神の森唯斗投手が故障で不在の中、2点リードの9回に代役守護神としてマウンドに上がったのリバン・モイネロ投手だった。

“最強セットアッパー”とも称されるモイネロは、持ち場を9回に移してもモイネロだった。先頭の村林を遊ゴロに仕留めると、辰己は見逃し三振。最後は鈴木大を力ないニゴロに封じて貫禄の3者凡退に。今季2セーブ目をあげ、試合後は「8回と同じ気持ちで投げました。いつもの8回と違いを作ることなく投げた」と振り返っていた。

 守護神の森が4月30日に「左肘関節化膿性滑液包炎」と診断され、福岡市内の病院に1週間程度、入院することに。9連戦の最中に守護神がチームを離れる緊急事態となった。その代役を任され、セーブをマークしたモイネロは「森さんがいないということで大きなダメージになるけど、全員で穴を埋められるように頑張っていきたい」と誓っていた。

 2017年にソフトバンクに入団したモイネロは年を重ねるごとに、その凄みを増している。2018年は49試合で防御率4.53の成績だったが、2019年は60試合で1.52、昨季も50試合で防御率1.69と好成績をマーク。驚異的な三振奪取率を残しており、球速も年々アップしている。球界で最も打たれないリリーフの1人と言っても過言ではないだろう。

 そのモイネロの成長を支えているのが、自身の“弱点”を見極め、そこを強化していく姿勢にある。絶えず成長していく要因を問うと「どこが張って疲れやすいか、年々分かってきている。足りないところを見極めて、オフの間も強化できているからだと思う」という。昨年から今年にかけては肩周りの強化をテーマに設定。ダンベルトレーニングなどで肩周りのインナーマッスルの強化を重点的に行っているという。

 また、日本語の習得にも励んでおり「投手というのもあってキャッチャーとの会話も日本語でとれる。ゲーム中では通訳を呼べないこともあるので、そういう時には日本語で何を投げたいかとか、どうすれば抑えられるかとかを日本語で話せるようにと思っている」という。マウンド上では、正捕手の甲斐らとは日本語でコミュニケーションをとっている。モイネロは自身の登場曲の1つに瑛人さんの「香水」を入れている。日本語を勉強するためにも良く聞いているという曲だが、この曲もフルコーラスほとんどを日本語で歌えるという。

 守護神不在で苦しい台所事情となっているソフトバンク。この日も必死の継投でなんとかリードを守り抜いた。森が戻ってくるまで……。「全員で穴を埋められるように」と語る代役守護神のモイネロを中心に、救援陣一丸となって戦っていく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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