0-30の完敗からの船出 千葉学芸を勝てるチームに押し上げた強化の“サイクル”

千葉学芸・高倉伸介監督【写真:川村虎大】
千葉学芸・高倉伸介監督【写真:川村虎大】

目標は「勝って反省」だが、まずは自分たちがやるべきことを

 高倉監督が目指すのは“自分がいなくても勝てる”野球だ。選手に考えさせ、選手主体の指導を行う。バドミントン部の顧問もそうだが、もうひとつ、別の競技を指導の参考にしていた。アメリカンフットボールだった。名門大学の練習、それもミスをした時の動きが、野球と異なっていたのだ。

「アメフトの練習を見たときに、ミスをしたらその都度練習を止めて、原因を話し合う。野球は、ノックでエラーをしても、『次、もう1回』ってなる。それよりもっと考えて取り組んだ方が成長すると考えたんです」

 1000回続けてノックをするより、10回でもいいから考えながら行う。そういう習慣づけを練習に取り入れた。現在は、月に1回、選手全員が要望を紙に書いて監督に提出するなど、選手の意見に耳を傾けている。

 考える野球で着実に選手の力はついてきた。秋は県大会ベスト8、春には悲願の初優勝を果たし、関東大会出場を決めた。

 アメフト、バドミントンと様々な競技の良いところを取り入れ、指導に活かした。関東の強豪たちと戦い、より高いレベルの「負けて悔しい」も経験した。あとは夏。「勝って反省」を繰り返し、再びチーム力を高めていく。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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