優勝争いを左右する? 史上最多ペースの“引き分け数”が与える影響

シーズンの最多引き分け試合数を遥かに上回るペースで進む2021年シーズン

 この年、2位だった巨人は中日よりも2勝多い66勝をあげたものの、50敗14分で勝率.569。さらに3位の阪神も65勝で勝利数では中日を上回ったものの、57敗8分の勝率.533。負けないことの重要性、引き分け数の持つ大きな意味をこのシーズンが証明している。

 これまでの引き分け試合数の歴代最多は東日本大震災の影響で3時間半を超えて新たな延長イニングに入らなかった2012年で計74試合。前年の2011年も56試合と多く、この年はセ・リーグの2位ヤクルトと3位巨人、パ・リーグの3位西武と4位オリックスが引き分け数の差で勝利数と順位が“逆転”している。

 今季は262試合を消化した時点で38試合が引き分けで、このままのペースで行くとシーズン終了時には、これまでの最多を遥かに上回る124試合が引き分けになる。ここまで楽天と西武の8分が12球団で最多。7分がソフトバンク、ロッテ、オリックス、巨人、ヤクルト、中日で、最も少ない阪神は2分となっている。

 ファンにとっては何ともスッキリしない決着となる引き分けではあるが、今季はその持つ意味が例年以上に大きくなりそうなだけに、ポジティブに捉えてみてはどうだろう。143試合を終えた時、この“引き分け”がペナントの行方にどんな影響を与えるか注目だ。

(Full-Count編集部)

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