ロッテ打線のキーマンは“恐怖の2番打者” 12球団トップ210得点の秘密とは?

ロッテのレオネス・マーティン【写真:荒川祐史】
ロッテのレオネス・マーティン【写真:荒川祐史】

1番荻野、2番マーティンから5番レアードまで相手は息つく暇なし

 今年のロッテは打線が凄い。昨季のチーム打率はリーグワーストの.235に終わったが、今季は22日現在リーグ2位の.247、得点は12球団最多の210を誇る。個人成績でもレオネス・マーティン外野手がリーグトップの13本塁打を量産しているのをはじめ、打撃3部門上位にロッテの選手が顔をそろえる。チーム成績は、大混戦のパ・リーグにあって首位に2ゲーム差の3位につけている。

 打率では中村奨吾内野手がリーグ2位の.316で、荻野貴司外野手も3位の.312。打点では安田尚憲内野手がトップの楽天・島内に1差の2位の33、マーティンが3位の32、中村奨が4位の29とズラリ並ぶ。昨季はチーム打率や個人成績は低調も、12球団最多の96犠打や進塁打を重ねて泥臭く点を取るたくましさが持ち味だったが今季はさらに凄みを加えている。

 現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)で21年間捕手として活躍した野球評論家の野口寿浩氏は「今季マーティンを2番に定着させたことは井口資仁監督の殊勲打。打撃好調の1番・荻野と長打力のあるマーティンの2人だけでも点を取る力があり、さらに3番・中村奨、4番・安田、5番のブランドン・レアード(内野手)と非常に流れが良くなった。相手投手は息つく暇もない」と指摘する。

 キーマンのマーティンは、あまり認知されていないものの、昨季7盗塁、今季も既に2盗塁を決めているように実は足も速く、走塁の意識も高い。22日に本拠地・ZOZOマリンスタジアムで行われた楽天戦では、相手先発の田中将大投手に対し、2死走者なしから右前打で出塁すると、続く中村奨の2球目にスタートを切りかけて戻るなど、揺さぶりをかけた。そしてカウント2-2からの5球目にスタートを切ると、中村奨はこのスプリットをとらえて右中間を破る。マーティンは一気に先制のホームを陥れた。中村奨は試合後、「マーティンのナイスランです」と称えた。

 野口氏は「僕はMLBのテレビ中継の解説を務めていて、メジャー時代のマーティンを見ています。当時はホームランバッターという印象は全くありませんでしたが、守備能力が非常に高くて足も速い、素晴らしい選手でした。一昨年のシーズン途中にロッテが獲得したと聞いて驚きました」と証言する。昨季はスモールサイズの日本の球場で25本塁打を量産し、新境地を開いたマーティン。今季は相手にとってますます不気味な存在になりそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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