なぜ鷹は大関の支配下登録を決めたか? 三笠GMが語った昇格の“経緯”
「モイネロ、森投手がおらず中継ぎ陣の強化が必要に」
ソフトバンクは28日、育成選手の大関友久投手と支配下契約を締結したと発表した。2019年に育成ドラフト2巡目で入団した大関は育成2年目での支配下昇格。背番号は「122」から「42」となることが決まった。
今季の日本人育成選手の支配下登録期限は6月末。その期限まで、1か月を残しての支配下昇格には少しばかりの驚きもあった。なぜ、このタイミングでの支配下登録となったのだろうか?
この日行われた会見の冒頭、三笠杉彦取締役GMは支配下昇格に至った経緯をこう語った。「育成から支配下の候補としてフロントも考えていました。大関投手本人はその後もしっかり準備して結果を残してきた。モイネロ、森投手がおらず中継ぎ陣の強化が必要になり、それと相まって、チームとフロントで話して支配下となりました」。
中継ぎ陣の強化を目論んでの支配下昇格。ソフトバンクは育成選手が支配下に昇格した際は、1軍の戦力として“計算”されてのもの。現状、ブルペン陣はモイネロが東京五輪の米大陸予選に参加するために離脱。守護神の森も「左肘関節化膿性滑液包炎」で戦線を離れている。
さらには、一時、中継ぎに配置転換されていた笠谷が、27日の中日戦で1か月ぶりに先発。3回を投げて2安打5四球3失点と炎上した。現状、1軍のブルペンにいる左腕は嘉弥真と田浦の2人。苦しい台所事情を救う存在として、2軍で防御率1.66と最も安定した投球を見せていた大関に、白羽の矢が立ったということだ。
三笠GMは「1軍の戦力として期待できる選手を支配下に、という方針でやっているので、1軍に貢献してもらいたい」とも語る。新しい背番号「42」のユニホームが間に合わなかったことからも、この支配下昇格が急遽決まったことであることが窺い知れる。“1軍の戦力”として支配下登録したということは、即出場選手登録される可能性も十分にあるだろう。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)