「できるだけ目と体だけで」 鷹・長谷川が2発4打点、打撃道を極める“仕事人”

ソフトバンク・長谷川勇也【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・長谷川勇也【写真:藤浦一都】

追い続ける打撃「打席で自分の技術を出し切れるかどうか」

■ソフトバンク 8ー3 巨人(29日・PayPayドーム)

 ソフトバンクの長谷川勇也外野手が29日、本拠地での巨人戦に「5番・左翼」でスタメン出場。2回に同点ソロ、5回には3ランと2発4打点の大暴れを見せた。ヒーローインタビューの後の会見では“鷹の仕事人”ならではの言葉が次々と飛び出した。

 2点を追う2回。柳田の2試合連続弾の後、2者連続弾となる1号同点ソロ。4回は四球を選び甲斐の勝ち越し弾に繋げると、5回には2死一、二塁からダメ押しの2号3ランを右中間スタンドへ運んだ。

 今季は主に代打の切り札として出場。スタメンは5月15日の日本ハム戦以来となったが「いつもどおりに準備した」と淡々。さらに「代打は1打席しかないから、考えることなく目と体でやれる。スタメンだと配球を考えてしまうので、目と体だけではなく頭も入ってきてしまう。できるだけ目と体だけでいけるようにした」と振り返った。

 プロ15年目のベテランは「肉体的には若い頃とは変わっている。より技術を磨いていかないと、筋力ではカバーできない。(15年目を迎えて)よりシンプルに、色んなものを省けるようになり磨きたいものの数も減ってきた」と、いかにも仕事人らしい言葉が続いた。

 よりシンプルに求めたい技術を磨くことで叩き出した2発4打点という結果には「結果が出せれば『やってきたことが正しかった』と思えるし、また次へのモチベーションにもなる」と胸を張る。

 以前はグラウンドの練習後にもベンチ裏のミラールームにこもってバットを振り続けていたが「最近、練習量は落として体のケアに使っている。そうしないと次の試合で良いパフォーマンスができない」と長谷川。ケアは今でも手術歴のある足首に主な時間をかけるという。

 緊急事態宣言の延長によって、PayPayドームでの無観客試合も継続されることが決まった。「野球は野球。やるべきことは変わらない。打席の中で自分の技術を出し切れるかどうか」。テレビ越しに応援するファンのために、自らの打撃道をさらに究めていくだけだ。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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