「鬼のメンタル」に加わる確かな自信 大谷翔平を奮い立たせる熱狂MVPコール

4打数2安打3打点の活躍を見せたエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】
4打数2安打3打点の活躍を見せたエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

本拠地の観客制限解除後13戦11発、MVPコールは「重圧に感じるより素直に嬉しい気持ち」

■エンゼルス 8ー7 オリオールズ(日本時間3日・アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手は2日(日本時間3日)、本拠地のオリオールズ戦に「2番・指名打者」で先発出場した。3回の第2打席で2試合ぶりの29号ソロを放つと、4回の第3打席で一時逆転の30号2ラン。9回の第5打席では四球で出塁し、二盗後にサヨナラのホームへ滑り込んだ。4打数2安打3打点1四球1盗塁で打率.280。チームは8-7で今季2度目のサヨナラ勝ちした。

◇ ◇ ◇

“見え見え”の盗塁でも大谷は失敗など全く考えていなかった。同点の9回2死一塁、ウォルシュへの初球で二塁へ果敢にスタートを切った。直前のレンドンの打席で捕手への守備妨害で盗塁を消されたのにも関わらずだ。

「走ることを相手も考えていたと思う。なかなか難しい選択肢ではありましたけど、1点を取る中ではセカンドにいた方がヒット2、3本続くよりも可能性は高い」。盗塁死ならサヨナラ機を逸する場面で今季12個目の盗塁を決め、ウォルシュの強烈な右前打で二塁からサヨナラ生還。「打球も強かったので、どうかなと思いましたけど、迷いはなかったです」。勇猛果敢な走塁を連発させ、本塁付近で大の字になって両手を突き上げた。

 今季3度目(通算6度目)の1試合2発で両リーグ最速30号に到達。打って走っての大活躍だったが、何かあった後の大谷は強い。今季だけでも4月20日レンジャーズ戦で4回無失点7四死球と大荒れだった翌21日に日米通算100号をマーク。6月11日のダイヤモンドバックス戦では5回にメジャー初の2ボークをした後の7回に右越え二塁打を放った。そして、この日は6月30日の“聖地”ヤンキース戦で1回持たずに7失点した後の試合だった。

「前回は僕が打たれてしまった。取り返したいなと思っていきました」。ヒーローインタビューで短く振り返ったが、そのメンタルの強さは近い人間も舌を巻く。練習相手など四六時中付き添う水原一平通訳は「鬼のメンタル」と例え、3度のMVPを誇るトラウトも「ショウヘイの精神的な強さには脱帽する」と語っていたほどだ。

 今では本拠地、敵地に関わらず、MVPの大合唱が聞かれるようになった。本拠地の観客制限がなくなった6月17日から13試合で打率.326(46打数15安打)、11本塁打、19打点と大活躍だ。「プレッシャーに感じるというよりは素直に嬉しい気持ちで打ってやろうという気持ちで打席に向かえている。すごくありがたいなと思います」。ファンの声援は「1番のドーピング」と語っていた時もあったが、ただでさえ強靭なメンタルに確かな自信を与えているように映る。

 2004年松井秀喜(ヤンキース)にあと1本に迫るシーズン30本塁打。試合後はド派手な打撃に目をくれず、「節目の数字ではあると思うので、打てて良かったなというのはあるんですけど。トータルして試合を見た時に、最後の盗塁とセカンドからの走塁の方が価値があると思います」とチームの勝利を喜んだ。活躍する→ファンが大声援→また活躍する――。メジャー4年目の大谷に好循環が生まれている。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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