大谷翔平、HR王獲得率は100%? 昨季から2.5倍増の圧倒的なデータとは
バレル率25%以上を記録した2017年ジャッジは52本塁打で本塁打王を獲得
エンゼルスの大谷翔平投手が両リーグの本塁打王争いを引っ張っている。11日(日本時間12日)で前半戦全日程を消化し、両リーグ最多33本塁打。リーグ2位のブルージェイズ・ゲレーロJr.に5本差を付けて独走中だ。メジャー4年目は今までと何が違うのか。大谷のコメント、大リーグ公式のデータサイト「ベースボール・サバント」で打撃の進化を紐解いた。
大谷のアーチ量産と切っても切り離せないのが「バレル率」だ。バレルゾーンとは長打が出やすい打球の速度(初速158キロ以上)と角度(26~30度)を組み合わせた打球のことで、今季の全打球204球のうち53球で記録。スタットキャストが導入された2015年以降ではトップの26.0%だ。ちなみに、バレル率25%以上を記録したのは2017年アーロン・ジャッジのみ(25.1%)。ヤンキース主砲は同年に52本塁打を放って本塁打王と新人王に輝いている。このまま高いバレル率をキープしてジャッジに続いてキング獲得できるか。
メジャー1年目の2018年から平均打球速度は92.9マイル、92.8マイル、89.1マイル。左膝手術明けだった2020年を除いてトップクラスだったが、打球角度は12.3度、6.8度、9.2度と上がらなかった。バレル率は2018年から16.4%、12.2%、10.7%と推移。昨季までの2年間は決して目立つものではなかった。
それが左膝万全でトレーニングを積めた今季は体重102キロでシーズンイン。大谷は「去年、手術明けであんまり力が入っていなかった。もう1回重点的にやろうかなと思ってやっていました」と明かす。平均打球速度93.7マイルはもちろん、「特に打球を上げようとしていない」という角度は17.8度と大幅アップ。バレル率は昨季から2.5倍近く上昇させた。
ボールもよく見えている。ゾーンスイング率72.4%、初球スイング率37.6%はいずれもキャリア最高。「ストライクを打つというシンプルな状態を維持できれば。必ず良い成績が残るかなと思っているので。どんな状況でも冷静にボールは見逃して、ストライクを打つというシンプルな考えでいければいいかなと思っています」と自信を口にする。
12日(同13日)にホームランダービーに初出場する。日本人初出場となるが、米メディアでは優勝候補と期待されている。全米の野球ファンの視線を集める中で、どのような打撃を見せるか。パワー自慢のスラッガーたちを打ち負けすところを大いに期待したいところだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)