新助っ人はアテにならず、先発2本柱で「借金9」… 中日に起きた“前半戦の誤算”

中日・福谷浩司(左)と大野雄大【写真:荒川祐史】
中日・福谷浩司(左)と大野雄大【写真:荒川祐史】

3位ヤクルトとすでに10ゲーム差、ガーバー&平田不調で“右翼ぽっかり”

 中日はシーズン前半戦を32勝42敗12分で終え、4位で折り返した。昨季8年ぶりにAクラス入りして上昇気配が漂ったが、今季は序盤から苦戦。すでに3位のヤクルトとは10ゲーム差もつけられている。根尾昂が1軍で存在感を見せるなど明るい材料もあるが、頼りにしていた主力が投打ともに精彩を欠いたことが如実に結果に現れている。

 序盤から首脳陣を悩ませてきたのが、ぽっかりと空いた“右翼”。開幕直後は平田良介がスタメンを担ったものの、21試合で打率.155と極度の不振に。4月下旬に2軍降格となった。その代わりに昇格した新助っ人のマイク・ガーバーもアテが外れる。環境への適応や調整面での不安を露呈し、わずか3週間足らずで2軍再調整となった。

 5月中旬以降は7年目の井領雅貴や3年目の滝野要が担う試合もあったが、固定できるまでには至らず。6月にロッテからトレードで獲得した加藤翔平や球界最年長の大ベテラン・福留孝介らを起用しながら前半戦を終えた。さらに言えば、左翼も“日替わり”は否めない状況で、相変わらず走攻守で頼もしい中堅の大島洋平の両サイドが心許ない。

 一方の投手陣も、勝利数の上乗せを計算していた左右の柱が崩れた。昨季11勝&10完投で沢村賞を獲得したエースの大野雄大は、キャンプから状態が上がらずにシーズンに突入。5月中旬までは2勝2敗で防御率も2点台後半と踏ん張っていたが、6月以降は黒星が先行。前半戦14試合で3勝7敗、防御率3.59と本来の姿とはほど遠い。さらに大野雄に次ぐ昨季8勝の福谷浩司も、ここまで15試合で4勝9敗、防御率4.80。2枚看板だけで9つの借金を抱えている。

 リーグトップのチーム防御率3.31だけに、頼りにしたい2人の足元がおぼつかないのは歯がゆい。リリーフとして期待された新助っ人のランディ・ロサリオも、戦力と言うには厳しい状況だ。投打ともに若手の台頭も待ち望まれるが、やはり“やるべき人”がやらなければチームが回っていかないのも事実。3年契約の最終年を迎えた与田剛監督にとって、手腕が試される後半戦になる。

(Full-Count編集部)

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