前半戦3位のロッテに起きた誤算を検証 エースが故障離脱、和製大砲は1本塁打

ロッテ・石川歩(左)と井上晴哉【写真:荒川祐史】
ロッテ・石川歩(左)と井上晴哉【写真:荒川祐史】

美馬は2戦連続2桁失点で6月中旬に抹消、福田秀は7月に1軍昇格

 ロッテはシーズン前半戦を37勝34敗12分で終え、首位オリックスと2.5ゲーム差の3位で折り返した。12球団トップの384得点を挙げるなど打線は好調だったものの、やや誤算だったのが先発陣。先発投手の防御率はリーグワーストの4.41だった。

 最も痛かったのはエース石川歩投手の故障離脱だろう。昨季は2年連続開幕投手を務め、リーグ最多の133回1/3を投げた右腕は今季コンディション不良で開幕2軍スタート。4月13日の楽天戦で今季初登板を果たしたが、6試合登板で2勝2敗、防御率5.08。6月3日に右肘関節クリーニング手術を受けた。全治3~4か月の見込みで今季中の復帰は微妙だ。

 昨季楽天からFA移籍して10勝(4敗)を挙げた美馬学投手も苦しんだ。11試合登板で3勝4敗、防御率は6.02。開幕直後は安定した投球を続けていたが、6月5日のDeNA戦は5回11失点、同12日の巨人戦は2回10失点と打ち込まれ、翌13日に出場選手登録を抹消された。今季初の開幕投手を務めた二木康太投手もなかなか状態が上向かなかった。14試合登板(13先発)で4勝4敗、防御率3.97だった。

 野手では井上晴哉内野手が精彩を欠いた。2018、19年と2年連続で24本塁打、昨年も15本塁打を放った和製大砲も今季は開幕2軍スタート。4月25日に1軍昇格し、5月7日のオリックス戦で今季初アーチを放ったが、右手首を痛めて出場選手登録を抹消された。前半戦の成績は23試合出場、打率.196(51打数10安打)、1本塁打、6打点にとどまった。ソフトバンクから昨季FA移籍した福田秀平外野手は7月3日に今季1軍初昇格。4試合出場で打率.083(12打数1安打)、0本塁打、2打点だった。

 ただ、投手陣では24歳の岩下大輝投手がチームトップの8勝(4敗)を挙げるなど、若手の底上げが進んだ。ここに美馬が加わり、二木が復調すれば、先発スタッフは一気に充実する。野手陣も前半戦途中からレアードが一塁に回り、三塁を藤岡、遊撃をエチェバリアが務めることが増え、開幕から三塁を守ってきた安田尚憲内野手もうかうかできない状況に。ここに井上が加わればチーム内の争いはさらに激化するだろう。福田秀もまだ老け込む年齢ではない。これらの選手が躍動すれば、2005年以来16年ぶりのリーグに大きく近づく。

(Full-Count編集部)

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