韓国打線は1、2番と元メジャーに要注意 4日いよいよ東京五輪“因縁の”日韓戦

大きく若返った投手陣、鉄壁リリーフの柱は元阪神オ・スンファン

 投手陣は、過去の国際大会で主力となってきたヤン・ヒョンジョン(現レンジャース傘下)や左腕キム・グァンヒョン(カージナルス)が参加できなかったことで大きく若返った。この大会、先発が5回を投げたケースは1日、ドミニカ戦で5回3失点だった高卒新人左腕イ・ウィリ(キア)しかおらず、早めの継投策を取ってきている。

 リリーフ陣に絶大な信頼を置いているから取れる戦略だ。今大会の4試合、リリーフ陣は合計17イニングを投げわずか3失点という安定ぶり。150キロ近い剛球が武器のチョ・サンウ(ネクセン)は3試合、4回1/3を投げまだ被安打1だけ。チーム最年長の39歳、元阪神のオ・スンファン(呉昇桓、サムスン)は2試合3イニングで被安打1だ。

 オ・スンファンはイスラエルとの初戦で9回に同点弾を喫したが、その後は1本も安打を許していない。開幕前から「横浜は狭いグラウンドに注意」とし、周囲にも日本時代の経験を交えたアドバイスを送っているようで、若い投手陣の精神的支柱としての役割も果たしている。

 日本代表で、北京五輪を経験しているのは稲葉篤紀監督と田中将大投手の二人。一方の韓国では前出のキム・ヒョンス外野手、オ・スンファン投手に加えカン・ミンホ捕手(サムスン)、さらにキム・ギョンムン監督は当時も指揮を執っていた。準決勝で日本との激闘を制し、キューバを下しての金メダルまで上り詰めた当時の経験は、今回のチームにも脈々と受け継がれていると言えるだろう。

 2008年の北京五輪後、韓国では低迷していたプロ野球人気が一気に回復。金メダル効果はことのほか大きかった。そして現在の若手選手たちは“北京キッズ”とも呼ばれ、金メダルに刺激され野球を始めたり、のめり込んでいった世代。大きなうねりをもう一度という期待が球界にはあふれている。今大会の戦いは決して順調ではないが、決して侮ることはできない。

(Full-Count編集部)

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