侍ジャパンは韓国の敗戦を教訓にすべし 金メダルへ欠かせない総力継投の“鉄則”
飯田氏が強調した決勝のポイントは「四球を与えないこと」
まず、チェ・ウォンジュンが先頭のフレイジャーに粘られ、12球を要した末に四球で歩かせた。すると、早くも左腕チャ・ウチャンにスイッチ。左腕が左打者のフィリアを空振り三振に仕留めると、ワンポイントでまた交代。右打者のウエストブルックに対しては、右腕のウォン・テインをぶつけたが、右前打を浴び、続くコロスバリーには左前適時打を許した。
さらにアレンにも四球を与えると、ウォン・テインは降板。この回4人目の投手となったチョ・サンウも、ロペスに左前適時打を浴び、アルバレスの一塁ゴロの間にも失点。オースティンには中前への2点適時打を許して、マウンドをキム・ジンウクに譲ることになった。
この6回の攻防に決勝へ向けた教訓があると飯田氏は言う。決勝では侍ジャパンも総力を結集した継投策を繰り出す構えだが、同氏は「大事なのは四球を与えないこと。この日の韓国も、結局先頭打者を四球で歩かせ、1点を失った後にも四球でピンチを広げたことが、ビッグイニングにつながってしまいました。教訓とすべきだと思います」と指摘した。
国際大会で連打、連打で点を取ることは簡単ではない。だからこそ、四球や失策を犯した方がどんどん不利になっていく。「米国の打者には確かにパワーはありますが、これまでの試合を見る限り、今大会の使用球はNPB統一球などに比べると、飛距離が出ない印象です。日本の投手陣の力量をもってすれば、それほど1発に神経質になる必要はないと思います。むしろ四球を与えて傷口を広げることの方が怖いですね」と飯田氏は強調した。
四球や失策で相手をアシストしてしまうことこそ厳禁。失点を最小限に抑えることが、金メダルへの近道になりそうだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)