首位ターンのオリックス、25年ぶりVへのキーマンは? 大混戦のパを専門家が占う
楽天は「茂木、岡島に期待」、ロッテは「美馬が復調すれば…」
田中将大投手が8年ぶりに復帰した楽天も、開幕前の下馬評通り安定した戦いぶり。特筆すべきは、4番に定着しリーグトップの66打点を挙げている島内宏明外野手の働きだろう。野口氏は「もともと出塁率の高い浅村(栄斗内野手)を誰が返すのかが課題のチームでしたが、島内がそれを見事に解消した」と評価。「今度は、島内を返してビッグイニングにつなげる選手が鍵になる。茂木(栄五郎内野手)や岡島(豪郎外野手)に期待がかかる」と分析する。
ロッテはレオネス・マーティン外野手、ブランドン・レアード内野手、荻野貴司外野手らがそろって打撃好調。「主将の中村(奨吾内野手)も好調で、先頭に立ってチームを引っ張る形ができているのが良い」と野口氏。投手陣もリリーフは相変わらず強力だが、先発には不安がある。石川歩投手が6月に右肘のクリーニング手術を受け、美馬学投手は3勝4敗、防御率6.02と振るわない。「ソフトバンクキラー(昨季は5勝1敗、対戦防御率2.70)の美馬が復調すれば、優勝への視界も開けてくるのではないか」と予測する。
西武は前半戦に故障者が続出し5位低迷中だが、ここにきて主力の顔ぶれがほぼ揃い、首位まで6.5ゲーム差は“ギリギリ挽回できる圏内”だろう。山川穂高内野手が打率.222、13本塁打35打点と当たりが出ていないのが懸念材料。日本ハムも打線の奮起が必要だ。
野口氏は「西武は山賊打線が迫力を取り戻すことが浮上の条件。山川の場合は打率はともかく、本塁打が量産態勢に入ればチームに勢いがつくと思います。日本ハムは大田(泰示外野手)らが打たないと苦しい」と見る。
いずれにせよ、現時点で最終順位を予想するのは極めて難しい混戦。本命のソフトバンクがやや後方から追いかける形だけに、なおさら面白い。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)